コンテスト
タティアナ＆イーサンが優勝！CT第9戦『Corona Open J-Bay』最終日
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
コロナ禍で3年ぶりの開催となった南アフリカのJ-Bay戦は3日連続でグッドコンディションに恵まれ、現地時間7月18日に全てのスケジュールが終了。
タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)が今シーズン2勝目、メンズはイーサン・ユーイング(AUS)がCT初優勝。
日本の五十嵐カノアは3位に入り、いよいよタヒチ戦のみとなったWSL Final行きの争いに望みを繋ぎました。
ウィメンズのグーフィーフッターとして初めての制覇
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
ウィメンズのJ-Bay戦の歴史はまだ浅く、1996年〜2000年に4シーズンだけ開催され、その後2018年に再開。
ステファニー・ギルモア(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)が制し、メンズ同様にグーフィーフッターには鬼門になっていましたが、今年はSFでカリッサにインターフェアを誘って勝利したタティアナがファイナルでタイラー・ライト(AUS)に大差で勝利。
ファイナルではJ-Bayでのメンズの初代チャンピオンのオッキーことマーク・オクルーポのサーフィンを彷彿させるようなバックハンドでのクリティカルセクションでの大きなターンの連続。9ポイントを出し、ウィメンズでは初のグーフィーフッター制覇に成功しました。
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
「私はバックハンドでのサーフィンが大好きなの。多くの人がそれを知っていると思うけど、これだけ上手く進んだのは久々ね。このイベントではリズムと流れを感じ、ずっと楽しんでいたわ。それが勝因だったかもしれない」
2022年はポルトガルで優勝、G-LandとブラジルでSF進出を果たし、今回2勝目。ランキングも最終戦を目前に3位に浮上してWSL Final行きが濃厚になってきました。
「このイベントはパーフェクトな波に恵まれた。1週間ラインナップをシェアしてくれたローカルに感謝するわ。本当に凄い波だった。次のチョープーも楽しみだけど、今はJ-Bayを満喫したい」
PHOTO: © WSL/Alan Van Gysen
2位になったタイラーはエルサルバドル、ブラジル戦を欠場した後の3戦ぶりの復帰。後半に彼女らしいパワフルなターン、レイバックなどで8.17を出して追い上げる場面もあり、最終戦のタヒチでWSL Final行きをメイクする可能性も十分にありそうです。
「2位は悪くないわ。ここまで来るには多くの努力があったの。タティアナはこのイベントで目立つ存在だと思ったし、彼女もまた努力していたわ。自分のやるべくことが上手く行っていないことは知っているけど、今週は大きな改善があった」
2022年のタイラーはベルズで優勝しながらも成績に波があり、2戦欠場というハンデも。WSL Final行きは難しいと言われていましたが、今回の2位でランキング7位まで浮上しています。
イーサンがCT初優勝
PHOTO: © WSL/Alan Van Gysen
メンズサイドはローカルヒーローのジョーディ・スミス、マシュー・マクギリヴレイ。今回、最も卓越したグーフィーフッターだったヤゴ・ドラ(BRA)を倒したイーサンとSFでカノアを倒したロボことジャック・ロビンソン(AUS)がファイナリストに選ばれ、ハイスコア勝負の白熱した戦いをイーサンが制してCT初優勝。
この数年ブラジリアンが強かったJ-Bay、オージーでは2016年のミック・ファニング以来の優勝となります。
2021年にCT返り咲きを果たしてから生まれ変わったようなサーフィンを見せていたイーサン。
特に今年は3位が3回とファイナル進出も時間の問題と言われていましたが、彼のサーフィンが映えるライトのポイントブレイクで念願を果たすことに成功しました。
「今年は優勝したジャックやグリフィンのような同世代にインスピレーションを受けているよ。自分はまだ優勝していなかったけど、プレッシャーをかけることはしなかった。ツアーの最初の年は失敗して、返り咲いた昨年はウォーミングアップのようなものだった。今年は自分のサーフィンを発揮することが出来て良いシーズンを送っているよ。J-Bayについてはもっとやるべくことが残っている気がするけど、このイベントで優勝することは夢の一つだったので、本当に嬉しいよ。父親や友人、兄弟のサポートに感謝している」
40分とたっぷりの時間があったファイナルは開始直後にロボが8.83を出しますが、すぐにイーサンは7.17と7.67を重ねて主導権を握ります。ロボがバックアップを伸ばして逆転する場面もあったものの、中盤には9.13とファイナルのハイスコアを出してひっくり返し、後半に7.47を出したロボをかわして優勝。僅か0.50ポイント差の名勝負でした。
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
イーサンのコメントでもあった通り、今年はインスピレーションを与える人物となっているロボ。
マーガレットリバー、G-Landで連勝してここJ-Bayでも良い結果を重ね、ランキング2位を維持。約10,000ポイントあったフィリッペとの差も縮めています。まだ確定はしていないものの、WSL Final行きはほぼ確実で、すでに今年はワールドタイトルにふさわしい活躍をしています。
次はいよいよ最終戦『Outerknown Tahiti Pro』でトップ5が9月にローワートラッセルズでワールドタイトルを争います。
今回の優勝でイーサンが3位に浮上、イタロ、グリフィンと続き、カノアは6位を維持。3位以下のポイント差は少ないので、最終戦は非常に面白いイベントになりそうです。
ちなみにイタロはカノアとの対戦時に負傷、まだ詳細は発表されていないものの、容態が心配です。
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
CT最終戦『Outerknown Tahiti Pro』は8月11日〜21日に開催。
その前にカリフォルニアのハンティントンビーチで7月30日〜8月7日にCS第4戦『VANS US Open of Surfing』が開催され、カノア、イタロ、グリフィンなども参加予定です。
CT第9戦『Corona Open J-Bay』結果
1位 イーサン・ユーイング(AUS)
2位 ジャック・ロビンソン(AUS)
3位 五十嵐カノア(JPN)、ヤゴ・ドラ(BRA)
5位 サミュエル・プーポ(BRA)、イタロ・フェレイラ(BRA)、コナー・オレアリー(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)
ウィメンズ
1位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 ステファニー・ギルモア(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)
5位 ジョアン・ディファイ(FRA)、キャロライン・マークス(USA)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)
2022 Men’s Championship Tour
『Corona Open J-Bay』終了後のランキング
1位 フィリッペ・トレド(BRA) 53,360pt
2位 ジャック・ロビンソン(AUS) 48,025pt
3位 イーサン・ユーイング(AUS) 40,970pt
4位 イタロ・フェレイラ(BRA) 39,130pt
5位 グリフィン・コラピント(USA) 36,800pt
2022 Women’s Championship Tour
『Corona Open J-Bay』終了後のランキング
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 52,925pt
2位 ジョアン・ディファイ(FRA) 47,610pt
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA) 42,610pt
4位 ステファニー・ギルモア(AUS) 41,625pt
5位 ブリッサ・ヘネシー(CRI) 40,285pt
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
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