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「読者質問:大原洋人VS稲葉玲王はどちらだった?」- F+コラム

Text by つのだゆき、Photo by snowy

F+(エフプラス) コラム

先週はJPSAの開幕戦。志田でショートロングの試合が開催されたのですが、私は一般人として駐車場ナシの徒歩観戦で、メディアとしては取材できなかったので、記事もナシです。ごめんなさい。
なんでそんなことになっちゃったかといえば、私が取材したいよ~、って申し込みを期日通り(3週間以上前?)にしなかったから。直近のQSが特に大きな制限もなく、観客入れてだったので、そのあとのJPSAも同様かな、と思ってボケボケしてたから……ですね。私が悪い。
でも、自分のミスを棚に上げてひとこと言わせてもらえるなら、メール1本でいいからこういう風に厳格にやります、ってお知らせは欲しかったかな、と思う。JPSAのサイトに行って深掘りすれば「ハウツーお申込み」にたどり着くけど、3週間前にエントリー、事前検温、滞在先提出、検査キットでの検査等、しかも5千円を超える有料という取材申し込みをさせるにあたって、1か月以上前には個別に告知してくれるのが普通なのではないのかな、と。どんなイベントでも企画書と報告書はつきものだし、どの団体でも事前の盛り上げメールとかは来るしね。なんか、限りなく不親切だな、と思った。メディアも試合ごとに選手と同じように、何のお知らせがなくても3週間前にJPSAのHPに行って同伴者のエントリーフォームを確認しなくては取材できない、という話。ちょっと血圧上がるかも(笑)。

質問)
SNSで話題になっていたQSの大原洋人VS稲葉玲王のQF、ユキさんはズバリどちらでしたか?


ふつうに稲葉。

F+(エフプラス) コラム

あの試合でのジャッジは非常に明確で、縦のラインからの掘れたポケットにしっかり入ったハードヒット。これにポイントを出していて、それはアーリーラウンドから一貫して変わらなかったと思う。それを踏まえれば何をどう考えてもあのヒート、特にラスト2本の攻防は稲葉だったかな、と思う。
スピードを取るなら大原という見方もあるけど、ジャッジはずっと、縦のラインからの掘れたポケットにしっかり入ったハードヒットにリワードしますよ、というメッセージを採点を通して発信していたと思うし、ポイントの出方の傾向を見ていればそれは明確でぶれていなかったと思う。選手はそういうジャッジングの傾向に合わせて、サーフィンのライン戦略をとるのがふつうだ。

F+(エフプラス) コラム

あの試合での大原は決して本来の大原ではなかったように私には見えた。トップターンで板がフラットになって止まりがちだったり、いつもの縦のカーブがなかったり、とにかくどのラウンドも横のラインを使う、前に前に出るサーフィンで、いつもよりサーフィンが小さく見えたので、故障しているか、あまり練習できていなかったのかな、と思って見ていた。別に稲葉がテクニカル的に難しいことをしていたわけではないけど、攻め方がこの試合のジャッジの望む傾向にピッタリはまっていたのは事実だ。

試合というのはジャッジは常に正しい、という原則のもとに成立している。この原則がなければ、勝敗はつけられない。
これが荒れるとき、つまり世紀の誤審みたいな騒ぎになるときは、例えば同じヒートの最初と最後でスケールが変わってしまったり、人によってぶれたり、とにかく、ジャッジの採点基準がぶれるときだと思う。そういう意味ではあの試合のジャッジはとても安定していたと思う。あ、村上舜が好き、も安定していたので、それによってぶれたスケールはあったけど。

まぁ、大原はオリンピアンなんでね、ああいうことではなくて、「今回は負けてしまったけど、また強くなってリベンジするので、皆さん応援よろしくお願いします。稲葉選手、CS僕の分まで日本代表として頑張ってきてください」、って何で言えなかったのかな、と思う。もちろんそんなの心にもないことだろうけど、オリンピアンというアスリートの中でも特別の位置にいるものとして、あれはNGだよ。本人も周囲もレベル低すぎ。何がどうなっても試合のやり直しはないし、結果は変わらないので、慰めてほしかったなら、もっとロックのかかったところでやってほしかった。そのインスタ投稿は現在は削除されたとのことだけど、数日間は不特定多数の目にさらされてたわけだし、だからこういう質問も来るわけだ。

過去30年にわたる試合観戦の中で、何回かヒートのやり直しとかあったけど、それは試合時間の計時ミスとか、明確なプライオリティの判断ミスとか、ライディングの見落としとか、本当にレアなケース。採点が違ってたのでやり直します、は皆無だ。
ジャッジの採点は違わない、というのが原則で試合は成立している。
まず感情を押さえて、ジャッジは正しい、とする。では相手と比較して、自分の何が足りなかったのか、を探るところから敗因分析は始まるし、それを次に生かすべきだ。それが村上舜が好き、にやられたなら、次に村上舜と当たったら、その加点を踏まえての戦略、ということになる。やだね、それ(笑)。

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