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CT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』を制したのは?

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(優勝したブリッサ)
PHOTO:© WSL/Bielmann

シーズンの開幕地がオーストラリアからハワイに変わって2シーズン目。
2022年のCTはパイプライン、サンセットビーチと2連戦の後、一度3月にヨーロッパのポルトガルに飛んで4月からベルズ、マーガレットリバーの連戦が待っています。

パイプラインではケリー・スレーター(USA)が50歳の誕生日を目前に2016年のタヒチ戦以来、実に6年ぶりの優勝。ウィンメンズはワイルドカードのモアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)が優勝して華やかに2022シーズンが開幕していました。

第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』の舞台、サンセットビーチは同じノースショアでもパイプとは全く波質が違い、アウトの棚で割れるオープンフェイスのマニューバー勝負。
トリッキーな波質は人を選び、あのケリーが苦手と公言するほどで、メンズ、ウィメンズ共に番狂わせが続出してファイナルデイに残った選手もパイプの開幕戦とは違う顔ぶれでした。

オリンピアンのブリッサがCT初優勝

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(大きなスプレーを上げるブリッサ)
PHOTO:© WSL/Heff

イベントは4日連続で進行して現地時間2月18日に終了。
新しい北西ウネリの到達を待ってお昼前からスタートしたファイナルデイは公式6-8ftレンジと4日間の中では最も小さかったものの、トレードウィンドが強めに吹き込んだサンセットらしいコンディション。

ウィメンズサイドは一気にR1からQFまで進行した前日に活躍したルーキーが洗礼を受け、マリア・マニュエル(HAW)がガブリエラ・ブライアン(HAW)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)がベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)を倒してファイナル進出。

特にスコアを伸ばしてサクラをコンビネーションに追い込んでいたブリッサが最後もリズムを崩さず、7.00を含むトータル12.83で優勝。
序盤は最初の波で6.33を出してリードしていたマリアでしたが、プライオリティのミスによってブリッサに逆転され、後半のマッチアップもブリッサが上回っていました。

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(ウィメンズファイナリスト)
PHOTO:© WSL/Heff

「ずっとこの瞬間を夢見てきたけど、実現出来るとは思っていなかったわ。マリアとの対戦はとても光栄だった。彼女はこの場所と素晴らしい関係を持っている。私の人生に関わった全ての人に感謝したい。今日この舞台に立てたのもその人達のおかげだわ」

2019年からツアーを回っているブリッサはCT初優勝、コスタリカ人としてもCT初優勝。
彼女は東京オリンピックにもコスタリカ代表として参加しており、まさに国を代表するサーファーなのです。
ブリッサは今回の優勝でランキングトップとなり、イエロージャージを獲得することに成功しました。

メンズはローカルワイルドカードが優勝

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(バロン・マミヤ)
PHOTO:© WSL/Bielmann

QFから始まったメンズは一方的なヒートが多く、 カイオ・イベリ(BRA)、バロン・マミヤ(HAW)、イーサン・ユーイング(AUS)、五十嵐カノア(JPN)がSFへ。
バロン以外は8ポイントを出していました。

SFではバロンがブザービーターでカイオを倒してミドルスコア勝負を勝ち上がった一方、イーサンとカノアのカードは素晴らしいレールゲームの応酬。
特にカノアはRound of 16の9.77に続き、2本目の9ポイントを出してMCを唸らせていました。
ちなみにイベントのハイエストスコアもカノアが最後まで維持、往年のミック・ファニングを彷彿させるようなパワフルでスタイリッシュなターンは今シーズンの大きな武器になるでしょう。

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(優勝直後のバロン)
PHOTO:© WSL/Bielmann

ファイナルはブザービーターの勝利で勢いに乗ったバロンがここまで隠し持っていたのか、レイバックでスコアを伸ばして8ポイントを2本揃えて圧勝。
地元の応援団も大いに盛り上がっていました。
序盤はミドルスコアを重ねていたカノアでしたが、中盤にニード9.50まで追い込まれ、最後はコンビネーションと厳しい戦いを強いられることに...。

「本当に信じられないね。パイプの方が自分は上手くやれると思っていたんだ。パイプなら特別な準備をしなくても、自分的にはどんなコンディションでも対応出来ると思っているからね。この優勝、まだ現実味がない...。僕のために尽くしてくれた母と父、ショーン・ワードに感謝したい。彼が初日からずっと一緒にいてくれ、辛い時でも助けてくれたのさ」

感極まって涙ながら優勝直後のインタビューに答えていたのが印象的でした。

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(メンズファイナリスト)
PHOTO:© WSL/Heff

CTのステップとなるCS(チャレンジャー・シリーズ)では結果を残せなかったバロンでしたが、年末の『HIC Pipe Pro』で2位に入り、CT開幕戦のワイルドカードを手に入れてケリーと接戦を演じて9位。その結果が評価されて2戦連続でワイルドカードを獲得、優勝してランキングトップとドラマや映画のような展開になったのです。

「2021年のコンテストの成績には失望していた。QSでは怪我からの復帰後で勝てず、自分の思い通りにならないことが沢山あったよ。ツアーに参加していないのに、ワイルドカードでパイプに出場して更にここでワイルドカードを手に入れた。本当に感激しているよ」

メンズのワイルドカードがCT優勝を果たしたのは2008年のタヒチ戦、ブルーノ・サントス(BRA)以来。
通常、ワイルドカードがタイトル争いをかき回すことは多々ありますが、優勝となると話しは別で、本当に特別なことです。

カノアが世界2位に浮上

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(また一つレベルが上がった感があった今回のカノア)
PHOTO:© WSL/Heff

QFで2019年のトリプルクラウン時代のサンセットビーチ戦を制したジャック・ロビンソン(AUS)を倒し、SFでイーサン・ユーイング(AUS)を圧倒したカノア。
残念ながら2019年のバリ島・クラマス戦以来、2度目のCT優勝はお預けとなったものの、ランキングではバロンに続く2位に浮上。
次は別荘を持つほど多くの時間を過ごしているポルトガルが舞台のため、更に良い結果を重ねる可能性も十分にあります。

「嬉しいよ。ハンティントンビーチで育った自分にとってハワイは経験を積むのに本当に必要な場所で、もう何年も通っている。サーフィンだけではなく、様々な課題に取り組んでいるし、ここ数年本当に努力しているよ。以前はハワイに居心地の悪さを感じていたけど、今は沢山の友人や顔見知りがいる。それによってスコアや結果を出せたことは大きな意味があるよね」

シーズンオフのウエイトトレーニングの成果か、昨シーズンよりも一回り大きなサーフィンをするようになった印象のカノア。
目指すべき世界一に確実に一歩近づいています。

次の第3戦は3月3日〜13日にポルトガル・ペニシェで開催される『MEO Pro Portugal』です。

CT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』結果
1位 バロン・マミヤ(HAW)
2位 五十嵐カノア(JPN)
3位 カイオ・イベリ(BRA)、イーサン・ユーイング(AUS)
5位 エゼキエル・ラウ(HAW)、セス・モニーツ(HAW)、ジェイク・マーシャル(USA)、ジャック・ロビンソン(AUS)

ウィメンズ
1位 ブリッサ・ヘネシー(CRI)
2位 マリア・マニュエル(HAW)
3位 ガブリエラ・ブライアン(HAW)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)
5位ジョアン・ディファイ(FRA)、ルアーナ・シルヴァ(HAW)、モリー・ピックラム(AUS)、インディア・ロビンソン(AUS)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

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