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CT第2戦『Rip Curl Pro Bells Beach』 ミック引退!感動のファイナルデイ!

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PHOTO: © WSL/Cestari

2001年、ワイルドカードでベルズビーチの『Rip Curl Pro Bells Beach』に出場した弱冠20歳のオージーが世界のトップ選手を次々と倒して優勝した。
この若者は翌年にクオリファイを果たし、その年のJ-Bayで早くも優勝。
以後、17年間に22勝、3度のワールドタイトルを獲得、誰もが認める偉大なチャンピオンになった。

ミック・ファニング。

彼が引退試合に選んだのはコンペティション人生の原点であるベルズビーチ。
あの日から4度も表彰台でベルを鳴らしたこの場所で現役最後のコンテストを戦い抜き、見事にファイナル進出。
最後はブラジリアンのイタロ・フェレイラに逆転されてしまったが、その勇姿は世界中のWSLファンの胸に刻まれたことだろう。

「本当にリスペクトしている人と対戦したから、この結果も受け入れられるよ。この崖やビーチに集まった沢山の観客の姿を振り返るのは最高の気分だった。とても美しいね。ある男の子に言われたんだ。’もし、あなたがベルを鳴らせなかったら、僕が挑戦するよ’ってね」

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PHOTO: © WSL/Sloane

ファイナル終了のホーンが鳴る前、セットが止んでミックの逆転のチャンスが消滅した時にはラインナップで互いを讃え合い、ビーチに戻るとイタロはCT初優勝の喜びを全身で表現。

一方、イタロより少し遅れてビーチから上がったミックは親友のパーコ、チームメイトのテイラー・ノックスに担がれ、最後のビーチ凱旋に。
引退試合を優勝で飾ることは叶わなかったものの、ファイナルに進んだことだけで十分と思わせるような感動的なラストシーンでした。

「本当に特別な一日だった。ベルズで終わりにしたいとずっと言っていたんだ。本当にみんなありがとう。トーキーの街の全てのファンのサポートが素晴らしかった。これでベルズに来るのは20年目。この間、支えてくれた家族に感謝したい。ここまで来てくれた友人にも感謝したい。おかげでとても思い出深いものになったよ。素晴らしいキャリアだった。みんなに感謝したい」

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PHOTO: © WSL/Cestari

裏表がない性格が彼の人気の秘密でもあり、それは表彰台でのスピーチにもよく表れています。
今回は現役最後のスピーチ、感情が溢れ出し、涙をこらえる場面も。

「観客と特別な時を過ごせた。ここには親友もいる。そして、ファイナルを戦ったイタロ。彼の優勝の意味がどれだけ自分の気持ちを和らげたことか。このイベントに参加した全ての人に楽しかったと伝えたい。シーバス、パトリック・グダスカス、ウィルコ、オーウェン。パドルアウトする度に仲間とサーフィンしているだけのような気がして...。本当に特別だった。ファイナルで見たイタロはどれほど凄かったことか。ベルズで見た最も素晴らしいサーフィンだったと思うよ。イタロ、やったね。あなたの勝利にストークしているよ」

5月にはケリー・スレーターのウェイブプール「サーフランチ」で開催されるリージョナル対抗のチーム戦『Founders’Cup of Surfing』のオーストラリア代表という大役が控えていますが、その後はR3からステッカーを貼り替えた「The Search」のメンバーとして世界中の波を探索する旅が待っているミック。
サーファーとして第2の人生がスタートします。

Cheers Mick!!

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(2001年、ワイルドカード時代にベルズで優勝した時の写真)
PHOTO: © WSL/Tostee

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PHOTO: © WSL/Sloane

グーフィーフッターには難しいと言われているベルズで2016年のウィルコ以来、6人目の優勝。
ブラジリアンではエイドリアーノ・デ・ソウザ以来、2人目の優勝。
何より念願のCT初優勝を成し遂げたイタロ。
今年からヘッドジャッジが変わってジャッジの採点基準が厳しくなり、エクセレントスコアが出にくい傾向の中、唯一9ポイント台を2本出して数字的にも今年のベルズのタイトルにふさわしかったと言えます。

「信じられないね。とても凄いヒートだった。最初は波に乗れなかったけど、後半は素晴らしかった。ミックは世界で好きなサーファーの一人。彼に勝つなんて本当に嘘みたいだよ。神と家族、彼女、サポートしてくれたみんなに感謝したい。これが自分の仕事なんて本当に幸せさ。最高のヒートにしたかった。ミック・ファニング、彼は素晴らしいし、私のヒーロー。ミックは最高のコンペティター、彼にありがとうと言いたい」

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PHOTO: © WSL/Sloane

昨年は開幕戦の最中、フリーサーフィンで右足首の靭帯を損傷。
3戦欠場、復帰後も不調が続き、最終戦のパイプラインで5位に入ったことでリクオリファイのギリギリのラインに滑り込んだイタロ。
今シーズンは開幕戦で13位に終わったものの、開幕戦で活躍した選手が早いラウンドで消えたため、ジュリアン・ウィルソン(AUS)と同率でトップに立ち、次のマーガレットリバーでは初のイエロージャージを着用することになります。

「これが初の優勝、本当に嬉しいよ。この数年間、ハードなトレーニングを積んできたんだ。最初のファイナルはポルトガルでフィリッペと対戦して惜しかったのを覚えている。そして、やっと今回優勝することが出来た。昨年はゴールドコーストでの怪我の後、2ヶ月も棒に振ってしまい、最悪だったね。回復してからこの場所を目指して努力してきた甲斐があったよ」

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PHOTO: © WSL/Cestari

今年のベルズは波乱が続き、開幕戦で優勝したジュリアン・ウィルソン(AUS)、ディフェンディングチャンピオンのジョーディ・スミス(ZAF)や、2xワールドチャンピオンのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)が敗退。
ウィメンズでもその流れは同様で開幕戦で優勝したレイキー・ピーターソン(USA)、2xワールドチャンピオンのタイラー・ライト(AUS)がR3で敗退。
その一方、2018年唯一のルーキー、16歳のキャロライン・マークス(USA)の活躍が目立っていました。

ファイナルデイ、ウィメンズはSFからスタートしてタティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)がシルヴァナ・リマ(BRA)を圧倒。
キャロラインはベテランのステファニー・ギルモア(AUS)の洗礼を受けてファイナル進出はならず。
2007年、2008年、2010年とベルズで3度の優勝を重ねてきたステファニーはファイナルでもリズムを崩さず、7ポイント台を2本重ねて優勝。
リサ・アンダーソン(USA)に並ぶ4度の最多優勝記録を達成しました。

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PHOTO: © WSL/Sloane

「信じられないほど感情が溢れ出してくるわ。全ての注目はミックに集まっているように感じる。だから、このインベントがどんな結果になるかは大きな問題ではないと思うの。少し間抜けな感じだったけど、注意が反れている内にこっそりとやろうと考え、プレッシャーが無かったわ。ミックが彼のヒートのためにパドルアウトしてきた時が最もストレスを感じた瞬間だった。彼は大きなプレッシャーがあるにも関わらず、落ち着いてリラックスしていたわ。あの姿を見て私のプレッシャーも和らいだのよ」

開幕戦で5位に入っていたステファニーは今回の優勝で単独トップに立ち、イエロージャージを手に入れることに成功。
レイン・ビーチェリーに並ぶ7度目のワールドタイトル獲得に向けて最高のシーズンスタートになっています。

ゴールドコースト、ベルズビーチと続いたオーストラリアレッグ。
次の舞台はウェスタンオーストラリアのマーガレットリバー。
4月11日〜22日に『Margaret River Pro』が開催されまます。

『Rip Curl Pro Bells Beach』結果
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 ミック・ファニング(AUS)
3位 パトリック・グダスカス(USA)、ガブリエル・メディナ(BRA)
5位 ミシェル・ボウレズ(PYF)、オーウェン・ライト(AUS)、エゼキエル・ラウ(HAW)、フレデリコ・モライス(PRT)

『Rip Curl Women’s Pro Bells Beach』
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)
3位 シルヴァナ・リマ(BRA)、キャロライン・マークス(USA)
5位 カリッサ・ムーア(HAW)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)、セージ・エリクソン(USA)

2018 Men’s Championship Tour
『Rip Curl Pro Bells Beach』終了後のランキング
1位 ジュリアン・ウィルソン(AUS) 11,665pt
1位 イタロ・フェレイラ(BRA) 11,665pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 11,500pt
4位 オーウェン・ライト(AUS) 9,490pt
4位 ミシェル・ボウレズ(PYF) 9,490pt

2018 Women’s Championship Tour
『Rip Curl Women’s Pro Bells Beach』終了後のランキング
1位 ステファニー・ギルモア(AUS) 14,745pt
2位 レイキー・ピーターソン(USA) 13,085pt
3位 キャロライン・マークス(USA) 10,830pt
4位 カリッサ・ムーア(HAW) 9,490pt
5位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW) 9,190pt
5位 キーリー・アンドリュー(AUS) 9,190pt

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