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『Pe’ahi Challenge』歴史に残るエピックコンディションで開催!



トリプルクラウンが佳境を迎え、『The Quiksilver In Memory of Eddie Aikau』のオープニングセレモニーが行なわれて本格的なシーズンが到来したハワイのノースショア。
現地時間12月1日にはBWT(ビッグウェーブツアー)の北半球レッグ、マウイ島の「Pe’ahi」、一般的には「Jaws」と呼ばれる『Pe’ahi Challenge』にイエローアラート、2日後には12月6日の開催を知らせるグリーンアラートが発令。
予報通り、12月最初の日曜日に自然の偉大さ、地球の神秘を感じる驚くべき巨大な北西ウネリが入り、BWTでは初となるこの舞台での開催が決定。

MCはポッツことマーティン・ポッターとジョー・ターペル、ロス・ウィリアムズ。BWTチャンピオンのピーター・メル。
水中リポートはストライダー・ヴァシレフスキとワールドツアーと同じ布陣。更に世界を代表するウォーターマン、デイブ・カラマを解説者に迎え、海にはジェットスキーのレスキューと空には巨大な波を撮影するためのヘリコプター。
多くのスタッフが歴史に残るようなビッグイベントを支え、主役となる24名のビッグウェーバーはただチャージするだけに集中。僅かなミスが命に関わる緊張感あふれるラインナップ。ライブ中継を通してでも手に汗を握るエキサイティングな一日でした。

特別フォーマットのBWTは1ヒート6名で争われ、上位3名がR1からSF。ファイナルへ進む仕組み。
ベスト2スコアの内、トップスコアが倍となり、パーフェクトスコアは30。

R1ではグレッグ・ロング(USA)とショーン・ウォルシュ(HAW)が9ポイント(×2)をスコア。
SFでもグレッグはスコアを伸ばし、8.93(×2)と他を引き離してファイナルに進出。

R1で9ポイントをスコアしたグレッグは、「多分、最高の一本。メイクは出来なかったけど、人生最高の波さ。あのバレルの中からの眺めは夢にまで見た光景だった。アウトに向かう時、完璧な方向からウネリが入ってきたんだ。チャンネルからのパドルは不可能に見えたけど、その後ろのセットはファーストセクションの近くだったのさ」とコメント。

巨大なバレルに包まれた後、背丈の何倍もあるようなスープに飲み込まれてしまったグレッグでしたが、通常のイベントと違い、例えワイプアウトしても波のクオリティやバレルへのアプローチが優れていればハイスコアが出せるのがBWTのジャッジクライテリア。
車何台分もあるような大きな空間に入る感覚は、人生さえも変えさせてしまうような気持ち良さなのでしょう。



ファイナリストはグレッグを始め、マウイ島ローカルのビリー・ケンパー、アルビー・レイヤー、イアン・ウォルシュ。ペルーを代表するビッグウェーバー、ガブリエル・ヴィラーン。ビッグアイランド出身の元CT選手、シェーン・ドリアンの6名。
たっぷりと1時間あったファイナルでしたが、リスタートされるほど波数が少なくなってしまい、勝負は序盤に決まった形。
ローカルナレッジを活かしたビリー、アルビーが他の選手と違うアプローチでバレルを狙ってスコアを重ね、特にビリーは8.00(×2)とファイナルのハイスコアをマーク。
この一本が決め手となり、ビリー(写真最上部・上)がホームの観客の前で嬉しい優勝を決めました。

「夢が叶ったよ。自分のバックヤードでパドルイベントが開催されることを何年間も話し合ってきたんだ。自分にとって最も特別な波であり、世界で有数の波。自分の全てとも言える。これが現実なのかまだ信じられない状況だけど、この優勝を兄弟(1998年に他界)に捧げたい。長年、この’Pe’ahi’で親友と憧れのサーファーだけでパドルアウトすることを夢見ていたんだ。それが叶って最高の気分さ」

今シーズンのハワイでは喜納海人が3位に入った『HIC Pro』で2位。ハレイワ、サンセットビーチでのトリプルクラウンは良い結果を残せなかったものの、それを帳消しするようなビッグタイトルを手に入れたビリー。

まだ小さな子供とのビーチライフに交わしたばかりの婚約。
公私共に充実したマウイ島を代表するビッグウェーバーの活躍にInstagramではケリーを始め、多くのサーファーがお祝いのポストをしていました。



4月にチリの「Punta de Lobos」で開催された『Quiksilver Ceremonial in Punta de Lobos』で優勝した昨年のグランドチャンピオン、マクアカイ・ロスマン(HAW・写真上)は禁断のレフトにチャージする機会があったものの、ポイントは伸びず、R1で敗退。
ランキングではBWTで最もグレード(サイズでゴールド、シルバー、ブロンドに区別される)が高い、45ftオーバーサイズのゴールドで優勝したビリーがカレントリーダーとなり、マクアカイが2位。3位は今回2位になったアルビー。以下、グレッグ、ニック・ランブ(USA)と続きます。

BWTはハイシーズンを考慮して4月15日〜8月31日の南半球レッグ。10月1日〜翌年2月28日の北半球レッグに分かれてます。
北半球レッグは北米・オレゴン「Nelscott Reef」、メキシコ「Todos Santos」、スペイン・バスク「Punta Galea」の残り3イベント。
イエローアラートが発令され次第、Twitterなどでお知らせします!



なお、この日はオアフ島・ノースショアのパイプラインもエキスパートオンリーのコンディションだったのですが、そんな中、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)などとセッションをしていたQSランキング32位のエヴァン・ゲイセルマン(USA・写真上)がクローズアウトセクションでミスをして頭をボトムに強打、海水も飲み込んでしまい巨大なセットを3本も喰らって水中で意識を失っていたところ、それに気付いた南アフリカのプロボディーボーダー、アンドレ・ボサが救助に向かい、ミック・ファニング(AUS)、ダニー・フラー(HAW)、カラニ・チャップマン(HAW)などと共にビーチへ引き上げ、そのまま病院に搬送。現在も危篤状態ということです。
ビッグウェーブへのチャージは常に危険と隣り合わせであり、2日後に始まる『Billabong Pipe Masters』を前に深刻な事故が起こったことは本当に残念です。
一刻も早くエヴァンが回復することを祈ります。

『Pe’ahi Challenge』結果
1位 ビリー・ケンパー(HAW)
2位 アルビー・レイヤー(HAW)
3位 グレッグ・ロング(USA)
4位 イアン・ウォルシュ(HAW)
5位 ガブリエル・ヴィラーン(PER)
6位 シェーン・ドリアン(HAW)

WSL公式サイト



photo: WSL Covered Images

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