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怪我、療養、復帰、将来 ジョン・ジョンにインタビュー



ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ジェレミー・フローレス(FRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、マット・バンティング(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ブレット・シンプソン(USA)、ステファニー・ギルモア(AUS)など、プロサーファーとしてのフリーサーフィンのあり方が問われるほど怪我による欠場が多い2015年シーズン。

フィジー戦の前にフリーサーフィン中のアーリーウープに失敗して足首を捻挫、2戦欠場したジョン・ジョンはすでに復帰を果たしていますが、タヒチではR3でガブリエル・メディナ(BRA)とバレル合戦、9ポイントの応酬の末に敗退。
続くカリフォルニアのローワー・トラッセルズではR2でグレン・ホール(IRL)を相手にスコアを伸ばせず、あっけなく姿を消すにことに...。

そんなジョン・ジョンにWSLのエディター、アンナ・ダイモンドがインタビュー。
怪我、療養、復帰。そして将来のこと。

昨年優勝したフランス戦の前に彼の考えを導いています。



■WSL 
あなたは『Quiksilver Pro France』のディフェンディングチャンピオンですが、このコンテストについてどのように感じ、今年はどうなると思いますか?


■JJ
フランス戦のことを考えると興奮するね。間違いなく、トラッセルズよりもこっちの波に期待しているよ。例え、波が悪くても沢山乗ろうと思っている。そして、楽しみたい。フランスは大好きだし、波も最高。あそこでは毎日ビーチで過ごし、自分だけのサンドバーを見つけることが出来るのさ。


復帰

■WSL 
コンペティションに復帰した心境は?


■JJ
とても興奮したね。特に復帰後初のイベント、タヒチに行った時はストークしたよ。波は昨年と違ったけど、復帰出来たことはとても嬉しかった。
最初のヒートはナーバスになりながらも、勝つことが出来たし、上々の復帰で気分も良かったさ。直前まで次のヒートの対戦相手を知らなかった。それがガブリエル(メディナ)と分かった時は少しナーバスになったかな。でも、落ち着いて自分のサーフィンを楽しむことだけに集中したんだ。
残念ながら負けてしまったけど、素晴らしいヒートだったし、楽しかったね。

この2年間、タヒチではトータル19ポイントを出しても敗退という結果が続いた。
これは笑うしかないでしょ?

実際笑い飛ばせるような良い波に乗ったし、十分に楽しんだよ。
それが全てさ。

■WSL 
その心構えを維持するのは難しくないの?


■JJ
負けた直後は応えたよ。
すぐにローワーズで気持ちを切り替えたかったけど、『Hurley Pro』までは数週間空いてしまった。
そこで士気が低下してしまい、波をキャッチするのも難しく、2ヒート続けて悪い結果になってしまった。

■WSL 
海での戦略は?例えば、ガブリエルと対戦する時は積極的に波を追うとか、いつも決まった計画があるのの?


■JJ
例えば、ローワーズでのヒート。楽しい波だったけど、他の選手が待っていたピークと違うピークで期待して波を待ち過ぎてしまった。特に最初のヒートは最悪のタイミングだった。でも、それは自然の力に左右されるものだし...。
グレン・ホールに負けた次のヒートは、無計画だったのが原因さ。良いローワーズを想像していたのに、自分のヒートでは不意をつかれたように波が無くなってしまった。

もっと波を追いかけるべきだったけど、そこで学んだものもあるよ。

自分の人生の多くをコンテストで費やし、ツアーでも少しやってきたと考えるとクレイジーさ。
ヒートを戦う毎にまだ学んでいる。それは毎回新しく、得るものも大きいよ。


怪我



■WSL 
あなたは今年のCTサーファーで怪我をした一人。回復までのプロセスを教えて?
リハビリには取り組んだの?身体的だけでなく、精神的な部分はどうだった?


■JJ
多くのサーファーが怪我をする原因は、より大きなエアーだったり、より大きな波、バレルにチャレンジするようになったことだったり、全てサーファーの上達に関係しているのが面白いよね。
自分は過去に何度も怪我をしてきたので、毎回学習はしている。今回の怪我で2〜3ヶ月は海に入れなかったんだ。そんなバカなことないよね。治療している間は指をくわえてイベントを見ていなければいけないし、良いウネリが入る度にじれったくなるんだ。

今回とその前の足首の怪我でベストだったことは、2ヶ月間の休暇。
長い間サーフィンをやってきて休みがもらえた気持ちだった。これまでサーフィン以外の時間がほとんど無かったからね。
2ヶ月なんてあっと言う間だったよ。

毎週カリフォルニアへ通ったことも良いことだった。過去にも治療してもらった良く知っている医者だったしね。
ホームのハワイだけでなく、カリフォルニアでも治療を受けられたのは楽しかった。
もちろん、治療が無事終わるかの心配はしたけど、海に戻ってサーフィンが出来るようになるだけでも嬉しかったさ。

■WSL 
リハビリ以外の日常生活は何をしていたの?


■JJ
家にいる時はセーリング(ヨット)に乗っている時間が多かった。
ほぼ毎日かな。実は何隻もボートを持っていて、かなりハマっているんだ。
ハワイの自宅近く(ノースショア)は夏になると強い風が吹く。波はフラットだし、セーリングには最高なんだ。
気を紛らわすのにも良いし、飽きない。とても面白い趣味ってとこかな。


療養



■WSL 
家にいる時はWSLのコンテストを見ていたの?


■JJ
そんなに見ていなかったよ。
コンテストのことは考えたくなかったし、リラックスして他のことをやりたかったんだ。
イベントに参加出来ないことで自分を追い込むのではなく、やっとサーフィンが出来るんだという気分を盛り上げる。
結果はどうあれ、タヒチではそれが十分に活かされたと思うよ。

■WSL 
あなたの心を癒すのにセーリングはどれだけ有効だったの?


■JJ
35ftのボートと’ホビーキャット’(小さなヨット)を持っているんだけど、とても楽しいよ。
特にホビーキャットはサーフィンに近いし、面白いね。自宅の前の海から約2マイル沖に出て風波に乗る。本当に速く岩棚に辿り着くんだ。そして、風に乗って波を捕まえる。純粋にアドレナリンが出て、面白いのさ。

■WSL 
今回の怪我で最も辛かったことは?


■JJ
最も辛かったのことは、自宅の前でいきなり波が上がった時かな。
サーフィンに対しての気持ちを抑えていたからね。
イベントはハイライトで見るようにしていた。だって、もし、オーウェン(ライト)がフィジーで10を二つ出した時なんかをライブで見てしまったら、気が重くなるからね。

でも、自分の家の前で波が上がった時、友人が目の前でサーフィンをしているのから逃げることは出来ない。
友人、兄弟が波に乗るために集まるのは仕方無いこと。自宅だろうが、タヒチだろうが、ポイントの目の前に住んでいる宿命さ。すぐそこでサーフィンをしているから、逃げられない。これが最大の辛い部分だったね。

■WSL 
そんな時、何か対処する方法を取得しているの?瞑想とか、何か心を落ち着かせる手段は?


■JJ
それは学んでいる途中。
ちょっとした趣味が沢山あって、例えば写真撮影に凝っている。
自宅に暗室があり、自分で現像もしているんだ。
だから、波が良い日は自分を抑え、暗室に閉じこもって一日中没頭している。それが自分なりの瞑想の形かな。
波から自分の心を離すのに助けになっているよ。


将来



■WSL 
残りシーズン、そして2016年の目標は?


■JJ
最大の目標はワールドタイトル。
残念ながら、今年はそこから外れてしまったけど、残りのシーズンは目標に向かって何が必要なのかを探すよ。
各イベントで違うことを試し、学び、来年に結び付けたい。
どんなやり方が有効なのかもね。

■WSL 
大局的に見て、あなたが注目を浴びた時、多くの人はタイトル獲得を想定していた。
他にジョーディ、ジュリアンも早い段階でタイトルを獲得するだろうと言われていた。
でも、タイトルを獲ったのはガブリエルだった。
この考え方に影響されたことはある?
タイトルに関してはプレッシャーや、子供の頃から過度な期待は感じていた?


■JJ
期待は感じていたかな。同時に本気にはしていなかった。
ガブリエルは凄いサーファーさ。彼はQSの時から一緒だった。常に積極的でコンスタントだったよ。
彼はクオリファイした年に半年で2度も優勝したんだ。タヒチでも勝ったし、タイトルも獲ってしまった。

自分も彼に影響されてモチベーションが上がったんだよ。

その流れで今年は意欲的になった。最初のイベントは負けてしまったけど、マーガレットリバーで2位になって立ち直った。コンペティションとは、こんな感じで変な精神的なゲームでもある。
優勝する気持ちで興奮してシーズンに挑んでも、負けると今度はネガティブにならないようにと気持ちが変わる。
自分が勝敗によって左右されてしまうんだ。
ガブリエルのサーフィンは沢山のインスピレーションを自分に与えてくれるよ。

■WSL 
新しいサーフムービーの『Blue Moon』で、ブラジリアンが少し撮影に関わり、他の場所からのサーファーとの関係もあったと聞いたけど、本当?


■JJ
それは特にないね。
フィリッペ(トレド)は親友の一人だし、ブラジルでのシーンは助けてくれた。彼のサーフィンを見るのは楽しいし、大きな助けになったのは間違いないさ。彼と一緒にサーフトリップへ行くと彼のサーフィンが信じられないほど格好良いことが分かる。
彼がクレージーな高速での回転系のエアーをするんだけど、自分も同じことをやってみたいよ。

■WSL 
ブラジリアンと他の国のサーファーの違い、パワー。あなたはどう説明する?


■JJ
ツアーにいるブラジリアンはみんな本当に素晴らしいよ。このスポーツのサポーターがあれだけ熱狂的な理由も分かる。
そして、自分は同じ舞台でライバルになりたい。

かつてのケリー(スレーター)とアンディ(アイアンズ)のようなライバル関係をあれ以来見ていない。

見ている方は楽しかったし、外野はあんな関係を作りたくなるものだよね。
でも、自分にとってツアーは友人達と一緒に旅行をしてイベントを行なうことなんだ。
ヒート中、対戦している時は別だけど、ヒートが終われば友人に戻るのさ。


WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images

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