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フランスでのCT第9戦は大波乱の末にファイナルデイを迎えた!

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PHOTO: © WSL/Poullenot

フランス、ポルトガルと続くヨーロッパレッグは毎年タイトルレースのキーポイント。
まずはフランスでのCT第9戦『Quiksilver Pro France』が現地時間10月12日に終了。

フィリッペ・トレド(BRA)、ガブリエル・メディナ(BRA)の2強ブラジリアンに引き離されていたジュリアン・ウィルソン(AUS)が完成度の高いエアリアルを武器に勝ち上がり、SFではイベント唯一のパーフェクト10をマーク、リプレイスメントのライアン・カリナン(AUS)とのファイナルも制してフランスで初優勝!

「この優勝はピエール・アグネスに捧げたいと思う。彼はフランスでのサーフィンに大きな影響を与えた素晴らしい人だった。今日は本当に特別な日。彼のために勝ち、ワールドタイトルレースに返り咲くことが出来たし、妻と子供も一緒にいるなんて...。全てが圧倒的さ」

グロム時代から「Hurley」に移籍するまでのスポンサー、「Quiksilver」の元CEOで今年1月に釣りに出て遭難、消息不明のまま捜査打ち切りになったピエール・アグネスに開幕戦以来2度目のシーズン優勝を捧げたジュリアン。

フィリッペがR3で敗退したこともあり、今回の優勝で再びタイトルレースに加わることに。
今年はシーズン1ヶ月前にトレーニング中の事故で肩を負傷、出場さえも危ぶまれていましたが、見事に回復。
愛娘オリビアの誕生も彼の強さの大きな源、信念である「ネバーギブアップ」の精神で29歳の誕生日を迎えた直後、初のワールドタイトル獲得のチャンスをつかむことに成功。

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PHOTO: © WSL/Poullenot

公式6-8ftレンジの北西ウネリが入ったファイナルデイ。
当初は翌日のビッグスウェルを待つ予定で、朝の内は『Roxy Pro France』のみファイナルデイ、メンズはQFまでのコールでしたが、霧で進行が遅れながらも日没前に両イベント共にファイナルまで進行。

ジュリアンはガブリエルとのSF、風の影響が入った難しいコンディションでガブリエルのフロントサイド・エアーリバース(写真上)の直後にバックハンドで高さのあるフルローテーションエアー(写真下)をメイク。
霧で見えにくかったものの、MC陣を興奮させるような完成度でパーフェクト10をマーク。

一方、アンディ・アイアンズと並ぶフランスでの3度の優勝記録(最多記録はミックの4度)を持つガブリエルは終了間際に一本の波で二つのエアーをメイクしてギャラリーを大いに沸かせていましたが、7.77とスコアは伸びず...。

2011年、ガブリエルがツアー2戦目にして初優勝を決めたフランス。
ジュリアンにとってもフランスで初のファイナル進出でしたが、土壇場でガブリエルが逆転。
当時、ガブリエル17歳、ジュリアン22歳。すでに回転系のエアリアルを完璧にマニューバーの一部として取り入れていた両者が7年後に対決、それをフランスのファンも覚えていたのか、異常なまでの盛り上がりを見せていました。

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PHOTO: © WSL/Poullenot

ライアンとのファイナルもバックサイドのエアーリバースで勝負を決めたジュリアン。
まさに執念の勝利でツアー通算5勝目を決めていました。

「ライアンとのファイナルは素晴らしかったね。ガブリエルと対戦することも大好きなんだ。彼らには本当に感謝したい。ファイナルでライアンを倒すためにベストを尽くした。ガブリエルとは初めてここでファイナルを戦った時に負けて以来、ずっと恨んでいてやっと今年リベンジを果たすことが出来たよ」

ランキングではQFを勝ち上がった時点でガブリエルがカレントリーダーの座を奪い、フィリッペが2位に転落。
しかし、その差は僅か320ポイントなので、次のポルトガル戦はタイからのスタートと考えて良いでしょう。
ジュリアンは2位のフィリッペと4,325ポイント差。これはフランス前のフィリッペとガブリエルの差に近いため、ポルトガルでの結果次第では再びランキングが入れ替わる可能性もあります。
WSLファンにとっては面白い展開になってきました。

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PHOTO: © WSL/Poullenot

2016年にCT入りを果たしながらもランキング34位で僅か1年で脱落。
他界した両親の悲しみを乗り越え、今年は千葉のQS6,000『Ichinomiya Chiba Open』、ポルトガル・エリセイラのQS10,000『EDP Billabong Pro Ericeira』で優勝。
ランキング2位に浮上して来年のツアー入りのチケットを獲得したライアンでしたが、リプレイスメントとして参加した今イベントでこれだけ活躍すると予想した人は少ないでしょう。

R2でオーウェン・ライト(AUS)、R3ではフィリッペ・トレド(BRA)を倒し、ファイナルデイもR4でエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、ウィリアン・カルドソ(BRA)を相手にビッグマニューバーで9ポイント台を2本スコアして18.53をマーク。
これは10ポイントを出したジュリアンせえも上回るトータルスコアで、更にQFでジョーディ・スミス(ZAF)、SFでコナー・コフィン(USA)を抑えていました。

「まるで夢のようさ。すぐに敗退するだろうと確信していたのに、ここフランスで活躍することが出来て本当に嬉しいよ。ジュリアンとのファイナルは凄い興奮したね。あれ以上のことはない。2位でも彼とのファイナルは最高だったよ。彼が何か特別なことをすると考えていたし、彼にとって大きな一勝になった。本当に良い親友の彼とこの特別な瞬間を共有出来て幸せさ」

玄人好みのターンとデーン・レイノルズのようなアグレッシブなレイバックで2016年に果てしなく遠かったファイナルに届いたライアン。
現在26歳、来年のツアーでどんな活躍をしてくれるのか、今から楽しみにしておきましょう。

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PHOTO: © WSL/Laurent

ウィメンズは今年3勝を決めているステファニー・ギルモア(AUS)が早ければフランスでレイン・ビーチェリーと並ぶ7度目のワールドタイトルを確定させる可能性がありましたが、大きなプレッシャーに負けてR3で敗退。
更に唯一逆転のチャンスがあったレイキー・ピーターソン(USA)も同じラウンドで姿を消す大波乱。
そんな中、開幕戦直前の怪我で4戦欠場していたコートニー・コンローグ(USA)がQFでジョアン・ディファイ(FRA)、SFでカリッサ・ムーア(HAW)、ファイナルでリプレイスメントの17歳、メイシー・キャラハン(AUS)を倒して優勝。

「ファイナル前にも伝えた通り、リズムに乗り、私と海が同じ高いボルテージで調和すればパフォーマンスが発揮できると考えていたわ。まだ私の思い通りにはなっていない。2019年の準備のためにまだ沢山やるべきことがあるの。そのプロセスを上手く調整して維持したい。同時に楽しみたいわ。シーズン2度目の優勝は思ったより早かった。大好きなフランスでの優勝は大きい。とっても嬉しいわ」

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PHOTO: © WSL/Poullenot

第7戦『Vans US Open of Surfing』での優勝に続き、シーズン2度目の優勝を決めたコートニーは13位から8位まで浮上。
リクオリファイのラインである10位を越えてきました。

ウィメンズはポルトガル戦が無くなったため、残すは11月25日〜12月6日にマウイ島・ホノルアベイで開催される最終戦『Beachwaver Maui Pro』のみ。

ステファニーのワールドタイトル獲得のシナリオは、3位以上、つまりSF進出を決めた時点でレイキーの結果に関わらずタイトルが確定。
5位以下になった場合、レイキーは優勝すればサーフオフ(タイトルをかけてのヒート)に持ち込むことが可能になります。

メンズは第10戦『MEO Rip Curl Pro Portugal』が10月16日〜27日、ポルトガル・ペニシェ「Supertubos」で開催。
早ければ数日後に次の戦いが幕を開けます。

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PHOTO: © WSL/Poullenot

CT第9戦『Quiksilver Pro France』結果
1位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)
2位 ライアン・カリナン(AUS)
3位 コナー・コフィン(USA)、ガブリエル・メディナ(BRA)
5位 エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、マイキー・ライト(AUS)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)

『Roxy Pro France』結果
1位 コートニー・コンローグ(USA) 
2位 メイシー・キャラハン(AUS)
3位 カリッサ・ムーア(HAW)、ブロンテ・マコーレー(AUS)
5位 マリア・マニュエル(HAW)、ジョアン・ディファイ(FRA)、ココ・ホー(HAW)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)

2018 Men’s Championship Tour
『Quiksilver Pro France』終了後のランキング
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 51,770pt
2位 フィリッペ・トレド(BRA) 51,450pt
3位 ジュリアン・ウィルソン(AUS) 47,125pt
4位 イタロ・フェレイラ(BRA) 33,490pt
5位 ジョーディ・スミス(ZAF) 32,020pt

2018 Women’s Championship Tour
『Roxy Pro France』終了後のランキング
1位 ステファニー・ギルモア(AUS) 61,175pt
2位 レイキー・ピーターソン(USA) 54,260pt
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ((BRA) 44,770pt
4位 カリッサ・ムーア(HAW) 44,235pt
5位 ジョアン・ディファイ(FRA) 39,895pt

WSL公式サイト

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