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『Rip Curl Pro Bells beach』今年のベルを鳴らしたのは?

 

今年はマーガレットリバーがメンズの第2戦に加わり、開幕戦から3戦続いたオーストラリアレッグ。
スナッパーロックスはガブリエル・メディナ(BRA)、マーガレットリバーはミシェル・ボウレズ(PYF)が優勝し、自国での勝利に見離されていたトップ34の内、約半数を占めるオージーでしたが、ラストマッチとなったベルズではミック・ファニング&タジ・バロウという長年レッドジャージを着ている二人のベテランオージーがファイナルに進出し、ミック(写真最上部・下)が8.83を含むトータル16.83で後半に9.63をスコアして追い上げてきたタジを振り切って優勝!
サニー・ガルシア(HAW)&ジョエル・パーキンソン(AUS)に並ぶ3度目のベルを表彰台で高らかに鳴らしていました。

ベルズでのテーマ曲とも言える’AC/DCのHells Bells’が流れる中、先住民のアボリジニのメイクをして表彰式に登場したミック。
「マーガレットリバーの後、一度家に戻って本当にハードなトレーニングをしたんだ。それが報われたね。タジの健闘を称えたい。オレの人生でこんなナーバスになった9分間は初めてさ。彼のサーフィンは素晴らしかったよ」とまずは一言。
さらに「ボウルズ、リンコン、最後はウィンキーポップ。今年は全てのブレイクでやることが出来て最高だったね」とコメント。

昨年3度目のワールドタイトルを獲得し、現在のトップ34の中ではケリー・スレーター(USA)に続く強いチャンピオンとなっているミック。
今シーズンは開幕戦でQF敗退。第2戦ではR3敗退と思うような結果が残せなかったものの、今回の優勝で一気に3位にランクアップし、4度目のタイトルに向けて舞台が整ってきました。

 

「ウィンキーポップでヒートをやるのが夢だったんだ。だから、今回はオレにとって特別なイベントになったし、ここの波はやりやすいよ。ランキングについては現時点ではみんな同じ位置に立っていると思う。簡単なヒートは一つも無いと同時にとてもエキサイティングな状態が続くのさ」とミック。

ワイルドカードで参加した18歳の時にベルズでの初優勝を決めて世界中のサーファーにミック・ファニングという名を轟かした2001年。あれから10年以上経った今、ワールドツアーでは欠かせない人物となっており、世界中のサーフィンを愛するキッズ達の憧れに...。ベルズはイースターホリデーを利用して行なわれるため、通常のイベントよりもキッズ達の姿が目立つのですが、その中でもミックにサインを求めるキッズは多く、ヒート前以外はほぼ全てに丁寧な対応をしていました。

そんなミックもキッズ時代はヒーローがいたわけで、憧れの眼差しでベルズでのコンテストを観戦。
「ウィンキーでやるぞ!って言われた時、1995年のサニー・ガルシアvsジョン・シモオカのカードを思い出したんだ」とミック。
当時、13〜14歳だったミックにとって、まさか自分がサニーの記録に並ぶとは夢にも思わなかったでしょう。

’夢は見るものではなく、叶えるもの`
アメリカ資本の新体制となった今年のワールドツアーは賞金も上がり、以前よりも更にプロスポーツとしてのシステムが確立。それは同時にキッズ達にとって将来の夢が広がったとも言えるのです。

 

2007年に今は亡きアンディ・アイアンズとファイナルを戦ってベルズでの初優勝を飾ったタジ(写真上)
ミックとのファイナルではプライオリティをかけてのミックとの激しいパドルバック勝負や、9.63とミックを上回るスコアを出するなど見せ場を作っていましたが、バックアップスコアを伸ばせず、2度目のベルを鳴らすことは出来ませんでした。
終了のホーンが鳴り響いた後、タジはサーフボードを殴り、ミックはサーフボードを撫でる。そんな対照的な場面も...。

「調子は最高だったし、とても楽しい一日だったよ。ミックとのファイナルは良かったけど、オレはバカな負け方をしてしまった。7ポイントで勝てる試合だったのに、沢山あったチャンスを逃してしまったんだからね」とタジ。さらに「表彰台でベルを鳴らす。これ以上の喜びを得られるイベントは無いほど象徴的なんだ。ベルに自分の名前が刻まれているのは光栄さ。出来れば2度目と望んでいたけど、良い結果を得ることが出来たし、自信もついた。この調子で次のイベントへ向かうよ」とコメント。
表彰台でのタジは少し前の悔しさを胸にしまい、終始笑顔でミックを称えていました。

ちなみにファイナルデイは公式2-4ftレンジのボウルズでウィメンズのSFから始まり、メンズのR5、ウィメンズのファイナル、メンズのQFが進行し、SFとファイナルはサイズダウンを考慮して奥のウィンキーポップへ移動。
リンコン、ボウルズよりも速めながら掘れた波質を好むサーファーも多いのですが、コンテスト的にはギャラリーから見えにくいため、通常は行なわれない場所。ミックのコメントにもある通り、ウィンキーポップでファイナルを迎えるのは非常に珍しいのです。

 

ウィメンズのファイナルはオーストラリアレッグを3位、優勝と絶好調のカリッサ・ムーア(HAW・写真上下)がタイラー・ライト(AUS)と対戦。第2戦のマーガレットリバー並びに昨年のベルズと同じ組み合わせとなったこのカードはメンズ顔負けのカービング勝負となり、カリッサが僅差で優勝!
「3連戦のオーストラリアレッグは長かったけど、とても良い結果になったわ。二つの優勝にQF進出。最後に他では無いベルを鳴らせたことは特別よ」とカリッサ。

ランキングでも単独トップに躍り出て3度目のワールドタイトルに向けて最高の滑り出しになっています。
なお、SF敗退のステファニー・ギルモア(AUS)は2位にランクダウンし、3位のタイラーは変わらず。
次のブラジルは昨年タイラーが制した場所。今シーズンまだ1勝も上げていないタイラー(写真下)にとってターニングポイントになりそうなイベントです。

 

「私が海に入る時は全てサーフィンに関係し、波に乗るってこと。その楽しい時間がとても好きなのよ。コントロール出来ないこともあるけど、何の心配もしていない。私はただサーフィンをしたいだけなの。カリッサはとても素晴らしい人であると共に偉大な勝者でもあるわ」とファイナル終了後に話していたタイラー。

怪我から復帰した兄オーウェンが久々にQF進出を決め、それをファイナル直前のラインナップで聞いたタイラーは手を叩いて喜んでいました。確かにワールドタイトルは重要ですが、家族で世界中をサーフィンして回る夢のような仕事をしているタイラーにとって、他にも特別な場面が沢山あるのでしょう。

今年のベルズは素晴らしいコンディションに恵まれ、選手達の笑顔も多くカメラに収められていました。
特にSFの前、ステファニーがラインナップを望む丘の上でウォーミングアップしている時、これから戦いに挑むというよりも、シンプルに良い波を目の前にサーファーなら自然に溢れ出る笑顔がとても印象的でした。
世界トップの選手も私達と同じ一人のサーファーなのです。

オーストラリアレッグが終わり、5月はプライムを含む南米レッグへ。
第4戦は5月7日〜18日にウィメンズ併催で行なわれる『Billabong Rio Pro』
20日〜25日はプライム『Powerade apresenta Quiksilver Saquarema Prime』が共にブラジルのリオデジャネイロで開催されます。

 

ASPワールドツアー第3戦
『Rip Curl Pro Bells beach』結果
1位 ミック・ファニング(AUS)
2位 タジ・バロウ(AUS)
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)
5位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ケリー・スレーター(USA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)

2014年ASPワールドツアー
『Rip Curl Pro Bells beach』終了後のランキング
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 19,200pt
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 18,400pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 16,950pt
4位 ケリー・スレーター(USA) 16,900pt
5位 タジ・バロウ(AUS) 16,250pt

ASPウィメンズワールドツアー第3戦
『Rip Curl Pro Bells beach』結果
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ステファニー・ギルモア(AUS)
5位 マリア・マニュエル(HAW)、ココ・ホー(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)、ディミティ・ストイル(AUS)

2014年ASPウィメンズワールドツアー
『Rip Curl Pro Bells beach』終了後のランキング
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 26,500pt
2位 ステファニー・ギルモア(AUS) 23,00pt
3位 タイラー・ライト(AUS) 21,200pt
4位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 18,200pt
5位 ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF) 16,500pt

ASP公式サイト





photo: ASP Covered Images

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