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「KEEP ○○○ COUNTRY・・・今ある環境を守りたい」 - F+コラム

Text by つのだゆき

エフプラスコラム
Photo by James氏

今年の夏は本当に異常気象で、庭木も夏を越せないものが続出。お山に十分な餌がないのか、里山東浪見でも住宅地にイノシシ出没。出没ってね、これうちのすぐ近くというか、犬の散歩コースだし、車通りもある道なんです。毎日通ってる場所。このイノシシだって、何も好き好んで野蛮な人間のいるところになんか来たくないわけで、腹減らしてしょうがなしなし山を下りなきゃならんかった、ってことなんだろうと思う。かわいそうに。異常気象ばかりではなく、開発で山つぶされて追われるとか、そういうこともあるだろう。
キョンもいよいよ夷隅川を越えて房総半島北上中で、東浪見あたりでも目撃談が相次いでいる。うちの近くの林にもきっといると思う。声は聞いたから。

秋になると冬ごもり目指して動物たちが食いだめの季節、お山に十分な餌がなければ住宅地にもやってくるわけだ。で、「駆除」みたいなことになるけど、駆除ってなんだよ、駆除って。この地球の自然の中で最も駆除されるべきは人間なんだよ、とそういう記事を見るたびにいつも腹立たしく思う。
野生動物の数が減れば保護、保護して多くなりすぎたら駆除、って、人間はいったい誰の許しを得て他の種の生息数のコントロールとかしてるのかと思う。キリスト教では人間は神が作りたもうた特別な存在なので、人間様一番みたいに考えてる人も多くいる。でも仏教では地上の生きとし生けるものは、みな同じ土俵にいる共存関係だ。一寸の虫にも五分の魂。民族によっては他の生物は崇拝の対象ですらある。

食べきれないほどの食料を備蓄する、使いきれないほどのスペースを占有する、環境に有害な物質をつくりだし、垂れ流す。およそ人間が贅沢や利便性のためにやっていることほど、地球環境にとって有害なことはない。
まぁ、そういう有害なことをすることを織り込んで神は人間を作った、っていう理論もあり、それは地球が滅亡に向かって、つまり人類滅亡に向かって歩んでいるという理論でもあるわけだけど、私は生きとし生けるものみな平等派なので、人間ってマジ地球にやさしくないな、と思う。
立って半畳、寝て一畳。さすがに一畳一間では厳しいけど、人間が生きていくうえで必要なスペースなんてたかが知れている。それなのにどんどん開発は進む。
開発は札束で簡単にできるけど、自然は札束じゃ買えないし簡単には作れない。だから将来の子供たちに残すべきは、最低限今ある環境を守り、伝えることだと私は思う。変えないことの大切さ。KEEP THE COUNTRY COUNTRY
田舎は田舎のままでキープする。日本人って、こういう意識が低いと思う。自然から大きな恩恵を受けているサーファーですら、あまりこの手の意識は高くない。残念なことだ。

エフプラスコラム
Photo by snowy

海外ではサーファーが中心になってのこういう活動がだいぶ前から盛んだ。
このKEEP KONA COUNTRYのステッカーは今から20年以上前のシェーン・ドリアンのトラックに貼られていたもの。彼の住んでいるビッグアイランドのコナを田舎のままの姿で守ろう、という運動だ。これがオアフ島のノースショアのタートルベイの開発とかに反対するKEEP THE COUNTRY COUNTRYへとつながっていく。当時ノースではほとんどのサーファーがこのKEEP THE COUNTRY COUNTRYのグリーンのラバーバンドを身に着けていた。今でもお土産屋さんでグリーンに白文字のステッカーやグッズを見るかもしれない。

先に山火事で大きな被害を受けたマウイ島のラハイナも、環境保護派と開発派に別れてもめていたところで、そこに火事ともなれば、陰謀論がSNS上をにぎわすのも無理はないのかな、と思う。ノースの友人は陰謀論派で、まぁ話を聞けば多少マユツバながらごもっともな理論ではあると思う。

KEEP TORAMI COUNTRY
私の目が黒いうちだけでいいから、今のままの里山に海という静かな田舎町の東浪見であってほしい。イノシシもキョンも、そっと見守ってほしい。そういう所で人生を終わろうと思ってひっそり住んでるわけだから。ま、死んだあとは皆さん好き勝手にやってくれればいいけど(笑)。

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