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「AI対ケリー時代にWSLファイナルズがあったら流血必至」- F+(エフプラス)

Text by つのだゆき

日本人のワールドタイトルの可能性、サーフィンにおけるジェンダーの平等についてと質問ふたつ来ていますが、これ書いてから質問に気がついちゃったので、次週必ずお答えします。お待たせしてすみません。

新しいシステムでのワールドタイトルも無事に終了、来シーズンのスケジュールも出て、ワールドツアーは着々と進んでいる感じだ。ここ数年のスケジュールからちょっと変わったのはスナッパーとサーフランチの試合がなくなって、代わりにロウワートラッスルズが復活したことか。そしていよいよミッドシーズンカットが始まる。シーズン半ばで人数減らすって、昔一度やって選手には大不評だったんだけどねぇ……。後半はトップ22、2023年クオリファイ確定の人のみでのツアー。シーズン前半で落ちた人はCSで頑張ってね、的な。でもこれ前半怪我したら致命的だし、CT選手としての価値が半年、5試合しかないので年間の契約が結びにくく、半年ごとの契約になる恐れがあるとか、そういう細かい不都合があってこのアイデアは消滅したんだけど……。

まぁ、プールの公式戦が消えるというのは納得できるかな、と思う。面白いつまらない、という問題ではなくて、試合としてだいぶ不公平かな、と思うからだ。何しろ練習できない選手と練習できる選手がいる、というのはとても不公平で、それはホームとアウェイとかのレベルではない。例えばオーストラリアの選手がハワイが苦手だったら、9月ごろからずっとハワイにいて毎日練習する、みたいなことが可能だけど、プールはそうはいかない。それに、屋外の施設なので風の影響を受けるので、同じように見えても同じ波ではない。もちろんほかのサーフスポットも屋外で風の影響を受けるけど、海でやる試合は波が選べる。ダメそうなのは見送ってよさそうなのに乗る、ということができるが、この当たり前のことがプールではできない。あてがわれた波に乗るしかないのだ。まぁ、それ以前に見てて面白くないので、なくなってよかったと思うわけだけど。
あれはやはりスペシャルイベントとか、なんか違うもので、タイトル争いのかかる公式戦ではないほうがいいと思う。

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Photo: WSL/Rowland

そして相変わらず来シーズンも12月のパイプで始まり、問題のトップ5のタイトル争い、WSLファイナルズで終わる。う~ん、何を譲ってもいいけど、ファイナルズはやめてほしいなぁ。今回は順当に男女ともトップだった選手がタイトルとなったからよかったけど、これ違ったら結構大変なことになるんじゃないかと思う。
選手たちがみんな優等生な今の時代だからまだいいけど、例えばアンディ、ケリーの熾烈な戦いの時代で、アンディがぶっちぎりでツアーを終え、ケリーが2位、ファイナルズで戦って2-1でケリーが逆転タイトルみたいなことになったら、しかも僅差で、しかもなんかちょっとジャッジングに疑問が残るような判定だったりしたら、想像するのも恐ろしい周囲のサポーターを巻き込んだグチャグチャ劇になると思う。炎上、流血必至(笑)。

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Photo: snowy

2003年の最終戦のパイプ、ファイナルまでもつれ込んだタイトル争いの時ですら、世間を二分するショウミーフラッグ状態になったのに、ファイナルズがあの時代にあったら、ホント泥沼。
ガーラックVSポッツとか……おぉ、怖い(笑)。全盛期のサニー・ガルシアとかとファイナルズのファイナルやる人は勝てないだろうし(笑)。サニーという人はメロウで優しい人なんだけど、アンガーコントロールがうまくなくて、切れると押さえが効かない。ジャッジにFワードなんて日常茶飯事だし、ジャッジスタンドには砂も投げたしゼッケンも投げたし、サンドイッチも投げた。いくら罰金払ったことか。
そういう人が一年間戦って、努力の末に最終戦をトップで終えた後に逆転があるって、何かを投げるというレベルじゃなく切れるだろうと思う。一年間かけて築き上げたものを、たった一日の3ヒートのギャンブルに賭けなければならないシステムって、本当にトップの人には厳しい。2位から5位にはいいだろうけど。でもまぁちょっと怖いもの見たさで、アンディ、ケリーとかサニーとか見てみたいかも。もちろん順当じゃないほうの結末で(笑)。

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