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ASPウィメンズワールドツアー最終戦『Billabong Pro Maui』終了!

ハワイのマウイ島でウェイティングしていたASPウィメンズワールドツアー最終戦『Billabong Pro Maui』はメイン会場のホノルアベイがコンテストにふさわしいコンディションにならず、苦渋の選択として2-3ftレンジの波が割れていたホキパへ移動し、現地時間12月18日に全てのスケジュールを終了。
すでに今年のワールドタイトルはステファニー・ギルモア(AUS・写真左)に決定していましたが、このイベントは全3戦で争われるVans Triple Crownの最終戦にも重なっていたため、その栄冠をかけて激戦のファイナルデイとなりました。

この日のハイライトはSFのH1、ステファニーと今シーズン限りで引退を表明しているレイン・ビーチェリー(AUS・写真右下)のカード。優勝して引退を飾りたいレインは確実にポイントを重ねていきましたが、ステファニーが8pt台を二つまとめてヒートを牽引。レインが最後にキャッチした波も7.57と逆転には及ばず、新旧のスター対戦は終結しました。
「素晴らしい引退の花道になったわ。誰だっていつかは負ける時が来るし、去る時も来る。後継者のステファニーにタッチするのが一番の道だと思うのよ」とレイン。

レインは19年間の長いキャリアで7回もワールドタイトルを獲得。まだ第一線で戦える実力を持っていますが、36歳というスポーツ選手にしては高年齢となった今、「勝負に対するハングリー精神が無くなった」という理由で引退を決意。ステファニーという実力とスター性が伴う選手が出現したのも大きなきっかけになったそうです。
「リタイアの決断は難しかったわ」とレイン。さらに「確かに優勝して引退を飾りたかった。でも、この数年を振り返ると私のキャリアにふさわしくなかったと感じるの。今まで素晴らしい旅をして7回もタイトルを獲得出来た。ガールズ達にウィメンズのプロフェッショナルサーフィンを受け継げたのは良かった部分ね。フルタイムの参加は今年で最後だけど、来年も数イベントは顔を出すつもりよ」と話していました。

SFでレインを下したステファニーはファイナルでも好調さをキープ。対戦相手のメラニー・バーテルス(HAW・写真左下)も一時はリードを奪いますが、ステファニーがパーフェクトに近い9.57をスコアしてメラニーを大きく引き離し、そのまま優勝!
「潮が動いて良いコンディションになったわね。最高に楽しかった!メル(バーテルス)は強敵の一人。戦う時は限界ギリギリまでプッシュしないと。中途半端ではやられちゃうわ。彼女が良い波を手に入れたのを見たから次の波は全開よ!(笑)それが上手くいったみたい」とステファニー。

全8戦中の5勝目を決めたステファニーは、昨年手に入れられなかったトリプルクラウンの栄冠も獲得し、まさに最強のウィメンズサーファーの座をレインから譲り受けた形になりました。
「トリプルクラウンで優勝出来たなんて超嬉しい!ハレイワは本当に楽しい波だったし、次のサンセットは素晴らしいサーフィンが出来た。初日のホノルアベイも見事な波だったわね。そんなバラエティ豊かなハワイの波で評価を得たなんて、とても光栄よ」と笑顔でコメント。

まだ20歳のステファニーはルーキーイヤーの昨年にワールドタイトルを獲得。ワイルドカードで出場していた時の優勝を含めるとすでに11勝という圧倒的な成績でウィメンズのワールドツアーを引っ張っています。
来年からツアー入りするサリー・フィッツギボンズ(AUS)や、メンズのイベントにも参加している16歳のカリッサ・ムーア(HAW)、今年のオーストラリア・マンリー戦で優勝した14歳のタイラー・ライトなどの自分より年下の選手と共に今後もウィメンズのレベルを上昇させていくことでしょう。

最後にステファニーは「こんな短いキャリアの間に沢山の優勝を上げられたことは自分でも信じられない!最高の気分だけど、私はもっとやるべきことがあるの。今日、レイン(ビーチェリー)とのヒートがあったんだけど、彼女のとてつもないキャリアを前にすると更にハングリーになれるし、それがベストな結果をもたらしてくれるのよ。来年は驚くべきシーズンになるわ。今年の才能豊かなメンバーに加えて若いガールズ達がサーフィンのレベルをもっと上げてくれるだろうからね。今から楽しみでしょうがない!」と話していました。


ハワイアンのメラニーにとって今イベントの優勝、そしてトリプルクラウンの栄冠は喉から手が出るほど欲しかったことでしょう。QFでカリッサ、SFでシルヴァナ・リマ(BRA)を抑えたものの、最後のステファニーという牙城は崩せませんでした。
「今日はサーフボードの調子が最高だった!なんと言っても、この近くに住んでいてワールドクラスのシェイパーに削ってもらったんだから。良い一日だったけど、ファイナルだけはリズムが崩れちゃったの。今はステファニー(ギルモア)を祝福したいわね。勝利にふさわしい素晴らしいサーフィンをしていたもの」とメラニー。

メラニーは今シーズンを7位でフィニッシュ。これは2004年からの4年間のキャリアで最高成績になります。来年は更なる飛躍を期待したいところですが、ツアーのレベルが上がるのは必至。彼女自身も十分に心得ているようで、「オフシーズンはトレーニングに集中するわ。来年は凄いガールズ達がツアー入りするから、結果を残すにはベストな自分を出すことが必要なの。シーズン初めのブラジル戦ではグッドウェーブのヒートでステファニーを抑えたし、今日は彼女に続く2位。これで自分の可能性に自信が持てたわ。シーズン通して100%の自分を維持するのが次の段階ね」とコメントを残していました。

■『Billabong Pro Maui』結果
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 メラニー・バーテルス(HAW)
3位 レイン・ビーチェリー(AUS)、シルヴァナ・リマ(BRA)
5位 ロザンヌ・ホッジ(ZAF)、レベッカ・ウッズ(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、メーガン・アブボ(HAW)

■Vans Triple Crown結果
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 レイン・ビーチェリー(AUS)
3位 メラニー・バーテルス(HAW)

■ASPウィメンズワールドツアー
2008レイティング TOP10
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)7188pt
2位 シルヴァナ・リマ(BRA)5534pt
3位 ソフィア・ムラノヴィッチ(PER)5323pt
4位 レイン・ビーチェリー(AUS)5210pt
5位 エミー・ドナホー(AUS)4051pt
6位 サマンサ・コーニッシュ(AUS)3972pt
7位 メラニー・バーテルス(HAW)3876pt
8位 レベッカ・ウッズ(AUS)3602pt
9位 ジェシー・マイリー・ダイヤー(AUS)3564pt
10位 ジャクリーン・シルヴァ(BRA)3398pt

photo: ASP Covered Images

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