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『Rip Curl Pro Bells Beach』ウィルコ2連勝!



長いシーズンの重要な鍵を握る開幕戦から3戦続くオーストラリアレッグ。
今年もスナッパーロックス、ベルズビーチ、マーガレットリバーがその舞台に選ばれ、初戦はウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS)がグレン・ホールのコーチの元で生まれ変わったような強さを見せてツアー初優勝。

現地時間4月3日に終了したベルズビーチでの第2戦『Rip Curl Pro Bells Beach』でもウィルコの勢いは止まらず、数々の逆転劇を経てファイナルでは昨年の怪我から復活したジョーディ・スミス(ZAF)を相手に9.20を含むトータル17.37でコンビネーションの圧勝。
開幕戦終了後のインタビューで話していたワールドタイトルを狙うという言葉もただのマイクパフォーマンスでは無く、本物だったことがこの優勝で証明されました。

ファイナルデイのコンディションは公式8-10ftレンジのビッグサイズに風の影響でバンピー、ハードで難しいコンディションでしたが、それを感じさせないバックハンドでの深いボトムターンからパワフルなトップターンは往年のオッキーを彷彿させる完成度でした。



「サーフィンを改善する。僅か10%の向上でも、それが10に及べば100%ベターになるのさ。最高に自分に合ったボードを手に入れ、サーフィンも本当に調子が良い。更に判断力の向上、難しい場面でも冷静さを保てるようになった。自分が乗った波は全て全力を尽くし、いかなるミスもしない。そんな心構えを続けているんだ」

ファイナル終了後、MC席で素晴らしいシーズンスタートの要因を話していたウィルコ。
ニューキャッスルでのQSを合わせるとすでに3勝目。ツアー歴7年。毎年、リクオリファイのギリギリのラインにいたことが嘘のような変貌ぶりには、コーチのグレン(写真下)の存在が非常に大きいとも話していました。

更に勝利を重ねることによって得られる自信が強運も引寄せ、タイブレイクで勝利したR5に続き、ファイナルデイはウィゴリー・ダンタス(BRA)とのQFで土壇場の逆転劇。
SFではウィゴリーと同じブラジリアン、グーフィー同士のイタロ・フェレイラ(BRA)を相手に序盤で勝負を決めてしまい、ファイナルでも良い流れを持続していました。



表彰台ではベルズの恒例の儀式、オーストラリアの先住民、アボリジニが奏でるディジュリドゥをバックにアボリジニの化粧を施され、最後のスピーチへ。

「昨年までは場所を問わず優勝したくても全く届かなかったのにね。今年はすでにトロフィーが二つも手に入った。最高さ。それもベルズ。長い歴史を持つこのイベントでの優勝はずっと憧れていたんだ。やっとチャンスを手に入れたよ」

今年で55回目となるこのイベントで、グーフィーフッターが優勝したのは、ウィルコを合わせると6回のみ。
トム・キャロル、バートン・リンチ、ダミアン・ハードマン(2回)、オッキーと全てワールドチャンピオンのレジェンド達で、最後に優勝したオッキーは1998年。実に20年近い間、レギュラーフッターが手に入れていたトロフィーがウィルコの手中に収まり、高らかにベルを鳴らしていました。
タイトル争いでは、開幕戦のQFに残った選手はウィルコ以外、R3までで姿を消したため、2位以下を大きく引き離しています。
過去33年、ベルズで優勝した選手の75%はワールドタイトルを獲得というウィルコには嬉しい統計も。

ちなみにベルズに来る前にはオッキーのビデオクリップを何度も見ているとのこと。世界のトッププロでさえイメージトレーニングは欠かせないのです。



昨年はフィジー前に膝を負傷。復帰してすぐに腰を痛め、合計5戦欠場。シーズンを棒に振ったジョーディ(写真上)
トリプルクラウンからの復帰後も良い結果は残せず、今シーズンの開幕戦もR2敗退の最下位でしたが、ベルズではようやく強さが戻り、ファイナル進出を果たしました。

「ハードなトレーニングが報われたよ。昨年は腰をやってしまい苦戦したね。今日、やっとファイナルに進めてとても嬉しい。今年のベルズは自分にとって少し違うアプローチで挑んだ。過度の期待をせずに自分のベストパフォーマンスを出すことに集中したのさ。今、出来る自分のベストのサーフィンを続けることだけを尽くしたよ」



今シーズンは開幕戦、ベルズ、J-bay(その後は未定)とスポット参戦を表明しているミック・ファニング(AUS)はSF進出の3位。
開幕戦でのR3敗退、13位の穴を埋めることに成功しました。

「ジョーディとの対戦はとても面白かった。オレ達は何度もここで戦かった経験があるけど、いつも違う勝負になる。笑顔で良い時間を過ごせたよ。ビーチに戻る時、明日から休みなんだと考えただけでワクワクした。オレのキャリア、そして、この8ヶ月サポートしてくれたみんなに感謝するよ」

何年も続いたタイトル争いのプレッシャーから解放され、長いキャリアのガス抜きをするように一度休むこと選んだミック。
「Rip Curl」のチームメイト、ウィルコの成功はとても良いタイミングであり、グレンと共に自分の優勝のように喜んでいた(写真上)のが印象的でした。

なお、開幕戦を9位でフィニッシュした五十嵐カノアはR3でウィルコに敗退。第2戦終了後のランキングは17位です。

次の第3戦は4月8日〜19日に西オーストラリア州のマーガレットリバーを舞台とした『Drug Aware Margaret River Pro』
メインの「Surfers Point」、バレルオンリーの「The Box」に加え、今年は昨年のフリーサーフィンで話題になったキラのような長いバレル 「North Point」がサブ会場として登録される予定のため、楽しみが増えそうです。



『Rip Curl Pro Bells Beach』結果
1位 マット・ウィルキンソン(AUS)
2位 ジョーディ・スミス(ZAF)
3位 イタロ・フェレイラ(BRA)、ミック・ファニング(AUS) 
5位 ナット・ヤング(USA)、ウィゴリー・ダンタス(BRA)、コナー・コフィン(USA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)

WSL Samsung Galaxy Championship Tour
『Rip Curl Pro Bells Beach』終了後のランキング
1位 マット・ウィルキンソン(AUS) 20,000pt
2位 コナー・コフィン(USA) 9,200pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 8,500pt
同率 コロヘ・アンディーノ(USA)
5位 ミック・ファニング(AUS) 8,250pt
同率 イタロ・フェレイラ(BRA)、スチュアート・ケネディー(AUS)

WSL公式サイト



photo: WSL Covered Images

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