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■第11回レッスンリポート「湘南」
コンペティターとしての活躍を目指す一般サーファーを無料コーチングしていこうという試みで活動中の『BCMサーファー育成プロジェクト』。
5月某日。台風の通過により、本プロジェクトのメイン活動場所でもある千葉外房がクローズアウトのため、急遽舞台を湘南に変更。プロジェクト第1期生の中には、初めての湘南というメンバーも。

台風通過後のバックスウェルに期待をした当日。残念ながら期待していたほどのサイズはありませんでしたが、茨城や千葉をメインに普段サーフィンしているメンバーにとっては、違った波質でのサーフィンで新しい発見や経験を積むことになりました。

まずは細川テクニカル・ディレクターによる午前のサーフィンライディングチェックがスタート。

約2時間のチェックを終え、細川コーチから的確なアドバイスを受けました。

【ジュン】
過去に体操の国体強化選手に選ばれたこともあるジュンは、その身体の柔軟性が持ち味。しかし、ライディング時にも身体の柔らかさが悪い意味で作用していると細川コーチ。下半身、脚を深く曲げているジュンのライディングは、ライディング時のショックを吸収する反面、逆にサーフボードへの適切な荷重も膝で吸収してしまっています。そのためボードにうまく力を伝えられず、ドライブの効いたレールを使ったサーフィンが出来ていません。
また、普段千葉でサーフィンをしているジュンは、パワーのある波の作用も手伝って、リップ時に波がボードを押し返してくれていますが、湘南のような力の無い波でよく分かったのが、リップアクションなどでのボードの返しの遅さ。リップの後、上体をリードしてボードを返す意識をすることが必要。そのためには、普段から上半身の先行動作に注意しながらアクションすることが大切です。

【ヨシキ】
日頃から疑問に思ったことをコーチ陣に積極的に質問してくるなど、メンバーの中でも一番研究熱心なヨシキ。
ヨシキが前回から細川コーチに指摘されていたのは、ボトムターンの際の体勢でした。
ボトムターンからトップへ向かう際、上半身が猫背に閉じたままの体勢になっているヨシキ。そのため、トップへ向かってリップアクションをする際、上体の先行動作を遅らせています。ボトムターンの最下点では既にリップへのアプローチを意識し始めるために上半身を開きやすい体制を整えておく事が必要。それによりレールの入れ方や先行動作にフレキシブルに対応が出来ます。

【ユカコ】
前回レッスンで「もっと波に乗ろう」という課題を細川コーチから掲げられたユカコ。サーフボードをテイクオフが早いサイズのものに変更しました。
しかし、やはりテイクオフのタイミングが1テンポ遅れてしまっています。テイクオフが遅れることで、イージーなテイクオフのタイミングを逃しているだけでなく、すぐにスープに捕まってしまうことでショルダーを走るのを難しくしています。特に湘南のようなワイド・ダンパーなコンディションが多い場合は、テイクオフの遅れがライディング本数に大きく左右してしまいます。
それにはやはりパドリング力をつける事と、的確なポジショニングを身につける事。基本的な事ですが、初級者やレディースサーファーにとっては、上達への一番の近道といえるでしょう。

【ゆみ】
フロントサイドもバックサイドもコンスタントにライディングが出来るようになったゆみ。しかし、その体勢にはまだ矯正する点が多くあります。
前回同様の課題として、引き続き下半身(腰)の低さと安定感の無さが挙げられました。棒立ちになってしまうというサーファーが多いですが、ゆみは逆に体勢が低すぎ。自分の中で意識的に棒立ちのイメージをするくらいで、実際丁度良い体勢になるのでは、と細川コーチ。ライディング時の体勢は、ビデオカメラでライディングを撮影してもらいチェックするのが一番。その映像をじっくりと観察し、部屋の鏡の前などでフォームチェックをすると効果的です。

午後は佐藤フィジカル・ディレクターによるフィジカルレーニングを実施。今回は湘南でのレッスンだったため、公園でウォーキングとストレッチを行いました。
また、このBCMサーファー育成プロジェクトに望む姿勢についても、メンバーの意識向上を含めもう一度再確認。
・どこを目標にするのか?
・どこまでを目指したいのか?
という到達地点を設定し、フィジカル面でも決して低くは無い彼らのポテンシャルをいかに自身でもBCM陣でも引き出せるのか、という点を確認しました。

そして午前中のサーフィンのライディングを映像でチェック。先に挙げた各メンバーの課題を明確化しました。

いよいよコンペティションのシーズンとなり、NSA支部予選やローカルコンテストといったコンペティションに参加していくメンバー。午後のサーフィンは、コンペティションを意識したレッスンを実施しました。

試合と同じ10数分という短い時間とマキシマムウェーブを設定し、本番の試合を想定したライディングとスコアポイントを細川コーチからアドバイス。
NSA4級合格を目指すメンバーは、しっかりとしたプルアウトを意識。また、ロングライドがハイスコアに繋がるわけではないという点を再認識させ、各メンバーの課題を意識した短時間でのサーフィンレッスンを複数回行いました。

7月には第1期生メンバー全員でコンテストに参加を目標としているBCMサーファー育成プロジェクト。今後はコンテストで勝ち上がるためのアドバイスなども視野に入れて活動していく予定です。

2008-05-23 18:33:46



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