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ヨーロッパレッグはガブリエルが完全制覇!


PHOTO: © WSL/Poullenot

フランス、ポルトガルと続くヨーロッパレッグのセカンドイベント、CT第10戦『Meo Rip Curl Pro Portugal』が現地時間10月25日に終了。
ポルトガルの首都・リスボンから車で約1時間、舞台のペニシェ「Supertubos」はライトもレフトもあるビーチブレイク。
その名の通り、真価を発揮した時は素晴らしいチューブが姿を現すポルトガルを代表するポイントです。

期間中はハリケーンからの特大なウネリも入り、グッドコンディション。
QFからファイナルまで行われたファイナルデイは3-5ftレンジと早いラウンドに比べると小振りなサイズでしたが、形良いバレルもあり、まずまずの条件で進行。
注目のタイトル争いは、カレントリーダーのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)がQFでコロヘ・アンディーノ(USA)に敗れた時点で最終戦のハワイに持ち越しが決定され、タイトルに絡んでいるガブリエル・メディナ(BRA)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)の二人がファイナルに進出。
また、QSの方でランキング2位とリクオリファイを確定させている五十嵐カノア(USA)が今シーズン初のSF進出で3位。
ランキングも4つ上げて20位。CTの方でもリクオリファイ圏内の22位以内に入ってきました。


PHOTO: © WSL/Poullenot

ガブリエル、ジュリアンのファイナルは両者共に決め手となるスコアを出せずに進行。
ヒートが動いたのはラスト10分を切ってからで、ジュリアンがフロントサイドでノーズピック・エアーリバースをメイクして4.67。
更にバックサイドでのバレルライドで6.27。僅かな時間で2本のベストスコアを揃えてリード。
しかし、残り3分、ニード5.28のシチュエーションでガブリエルがフロントサイドでクリーンなエアリアル、フィニッシュまで決めて6.93。
土壇場で逆転に成功し、更にテールハイ・エアーリバース(写真上)で6.33。エクセレントスコアは出なかったものの、文句なしの優勝!

フランス、ポルトガルと2連勝を決めたガブリエルはランキングでも3位からジョーディ・スミス(ZAF)を抜いて2位に浮上。
ハワイでの最終戦、タイトル争いはジョン・ジョン、ガブリエル、ジョーディ、ジュリアンの4名に絞られることになりました。

「最高の気分!ヨーロッパレッグで優勝するのが目標だったけど、それを二つも優勝してしまうなんて、信じられないよ。もう疲れてクタクタさ。ジュリアンには何度もやられているから、今日も最後の5分で彼がスコアを出した時は’天を仰いだ’よ。でも、諦めずに攻めて最終的に勝つことが出来た。これで一つ借りを返せたかな」


PHOTO: © WSL/Poullenot
(バレルのスキルも見せつけたガブリエル)


2012年のポルトガルでもファイナルで対戦している二人。
その時は残り30秒でジュリアンがバレルをメイクして見事な逆転劇を演じてワールドツアー初優勝。
更に今年も両者はタヒチのファイナルで対戦しており、その時も後半にジュリアンがコンビネーションスコアをひっくり返して逆転優勝を決めていました。
ジュリアンの精神的な強さがピックアップされていましたが、今回はガブリエルの勝利に対する執念が勝り、リベンジに成功。

ビーチに上がった後、ビーチ凱旋では父親に担がれて表彰台へ向かったガブリエル。
母親と熱いハグを交わし、インタビューの前には後に一人歩いてきたジュリアンを待って笑顔で言葉を交わしていました。

最終戦のハワイでのワールドタイトルのシナリオ。
前半戦からコンスタントな結果を重ねているジョン・ジョンの大きなアドバンテージは変わらず、ガブリエルは最低でも5位以上が必要。
ジョン・ジョンはガブリエル、ジョーディ、ジュリアンの結果に関わらず、SFを勝った時点でタイトルを確定することが出来ます。

「フランスを終了した時点でタイトルのことは考えていなかったけど、今は狙っているよ。ポイント的にはジョン・ジョンが有利。でも、何が起こるか分からない世界だからね。パイプラインの波は大好きだし、いくつかの良い結果も残している。だから、不可能ではないさ」

タイトルに絡んでいる4名の内、最終戦のパイプラインでの優勝経験があるのはジュリアンのみ。
但し、ジョン・ジョンは目の前に住んでいる真のローカルであり、年初に開催される『Volcom Pipe Pro』では何度も優勝。
パイプラインでのスキルはWSLファンなら御存知の通り。
ガブリエルは2014年、2015年と2年連続で2位に入るなど優勝の可能性が十分にある舞台。
ジョーディだけは不安が残りますが、今年の彼の調子からすれば何が起こっても不思議ではありません。
今年は本当に面白いグランドフィナーレが期待出来そうです。


PHOTO: © WSL/Poullenot

フランスではローカルワイルドカードのマーク・ラコマーにR2で敗れ、今シーズン初の最下位に終わったジュリアン(写真上)でしたが、後半戦はタヒチで優勝、南アフリカで3位、そして今回の2位と好成績を残して初のワールドタイトルにも僅かな可能性を残しています。

「ここ数日、凄い良い波に恵まれたよね。今日は少し小さかったけど、その前は素晴らしいコンディションだった。ペニシェではいつも良い試練になる。恐ろしい波になる時もあれば、ビッグエアーにふさわしい最高の興奮する波になる時もあるのさ。ガブリエルとは最高の勝負が出来た。彼におめでとうと言いたい。再び楽しませてくれたペニシェとサポートしてくれた皆に感謝したい。私達はこの波を愛し、喜んで挑戦するよ」


PHOTO: © WSL/Poullenot

ガールフレンドのホームでもあるここポルトガルでキャリア2度目のSF進出を果たしたカノア(写真上)
最終戦のハワイは昨年ルーキーイヤーにしてファイナルに残った記念すべき舞台であり、QSとのダブルクオリファイも十分可能なシチュエーションになってきました。

「シーズンの後半は自分の好きな場所が多いんだ。カスカイスでQSでのランキングを固めたおかげで、CTでもストレスを感じずに戦えるようになった。それが結果に結び付いているんだ。今回の結果によって22位以内に入れば、QSを戦う友人のためにスペースを開けることが出来る。自分にとってパイプは特別な場所。特に昨年は凄いことが起きた。ハワイが待ち遠しいよ」

最終戦の舞台はハワイ・オアフ島のノースショア、パイプライン。
『Billabong Pipe Masters』は12月8日〜20日に開催されます。
なお、ノースショアではすでにコンスタントにウネリが入るようになっており、今週末には日本に大きな影響を与えた超大型の台風21号から変わった低気圧のウネリで早くも今シーズン最大級のサイズアップが予想されています。
マウイ島では『Pe’ahi Challenge』にグリーンアラートが発令。
オアフ島でもワイメアベイが覚醒しそうです。


PHOTO: © WSL/Poullenot

『Meo Rip Curl Pro Portugal』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)
3位 五十嵐カノア(USA)、コロヘ・アンディーノ(USA)
5位 ミック・ファニング(AUS)、ミゲル・プーポ(BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)

2017 Men’s Championship Tour
『Meo Rip Curl Pro Portugal』終了後のランキング
1位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 53,350pt
2位 ガブリエル・メディナ(BRA) 50,250pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 47,600pt
4位 ジュリアン・ウィルソン(AUS) 45,200pt
5位 オーウェン・ライト(AUS) 39,850pt

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