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『Corona Open J-Bay』 歴史に残るイベントを制したのは?


PHOTO: © WSL/Cestari

ジョーディ・スミス(ZAF)による「J-bay」史上初、CTでは10度目のパーフェクトヒート、合計8つの10ポイント、ケリー・スレーター(USA)の骨折、珍しいヒートのやり直し、デレク・ハインド、トム・カレンにインスパイアされたレトロツインフィンによるスペシャルヒート、2015年を思い出させるミック・ファニング(AUS)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)の目の前に現れてヒートを中断させたサメ、セーフティボートによる目を疑うようなライディングなど多くのトピックスがあり、なにより素晴らしいコンディションに恵まれた今年の「J-bay」

自然を相手とするサーフィンコンテストは時に過酷な条件を強いられますが、今回のように時を忘れてしまうような美しい舞台が用意されることもあります。
6日連続で続いたCT第6戦『Corona Open J-Bay』、現地時間7月20日に長い戦いの決着がつき、ファイナルでフィリッペ・トレド(BRA)がルーキーのフレデリコ・モライス(PRT)を抑えて優勝を決めました!


PHOTO: © WSL/Tostee

「’J-bay’での優勝は昔からの夢だった。実現出来るなんて本当に信じられないよ。コンテスト全体でパーフェクトな波に恵まれた素晴らしいこの一週間、神に感謝したい。家族全員がここでサポートしてくれたんだ。この嬉しさは言葉に出来ないさ。シーズン終わりまでこの髪の毛でいこうかな(笑)」

ブラジル戦でのペナルティでフィジー戦は出場停止。髪の毛を染めて髭を蓄え、イメージチェンジをして復帰したフィリッペ。
トレードマークとなっている真っ赤なウェットスーツは彼のサーフィンに対する情熱を表すものでもあります。

今シーズン取り組んでいるレールサーフィンにバリエーションを加え、R2でイベント初のパーフェクト10、R4ではデビルウィンドを利用して1本の波でアーリーウープを2回、もう一つの10ポイントをマーク。
マニューバーとバレルの組み合わせがハイスコアの鍵だった’J-bay’の常識を壊すエアリアルでの10ポイントは特に印象的でした。

自国のイベントでパーフェクトヒートをメイク、更にもう一つの10ポイントをスコアして優勝候補の筆頭だったジョーディ、10ポイントを出したもう一人の選手、ジュリアン・ウィルソン(AUS)さえもコンビネーションに追い込み、止まらない勢いで2015年のポルトガル戦以来、4度目のCT優勝を手に入れました。


PHOTO: © WSL/Cestari

「改めて素晴らしい週だったと思う。間違いなく、40〜50年はこのコンテストのことを忘れることはないだろう。パーフェクトな’J-bay’とサーフィンのレベル。優勝したことはもちろん、ここで見たサーフィンのレベルの高さは決して頭から離れないよ。サポートしてくれたみんなに感謝したい。特に妻と娘にね」

ブラジリアンでは2012年のプライム時代のエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)以来、二人目となる「J-bay」での優勝を決め、14位から7位にランキングを上げたフィリッペ。後半戦のタイトル争いに絡んでくる可能性も十分にありそうです。

ちなみに今までは彼の家族と言えば熱狂的な父の姿ばかりがフォーカスされていましたが、今回は愛する妻と子供が常に側にいて何度もカメラに映し出されていました。
「母は強し」ならぬ、「父は強し」
このかけがえのない存在がフィリッペの優勝に結び付いたことは間違いありません。


PHOTO: © WSL/Tostee

フィジー戦でファイナルに進んだコナー・オレアリー(AUS)に続き、ルーキーがファイナリストになった今イベント。
フレデリコ(写真上)の名前はWSLファンならワイルドカード時代から御存知の通り。
ケリー、ミック、ガブリエルを倒し、ジャイアントキラーとして恐れられていたポルトガルの逸材がトップ34として正式にツアーの舞台で戦い、パーフェクトな’J-bay’で圧倒的なパワーサーフィンを披露。
R4とQFでジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を2度も抑え、初のパーフェクト10もマークしていました。

「ここは素晴らしく、大好きな場所さ。人々も波も最高なんだ。ホームに似た天候、本当に良い雰囲気だよ。忘れられない場所になるだろうね。ギャラリーの方とサポートしてくれたみんなに感謝したい。ワールドツアーで初めてのファイナルは最高だった」

ティアゴ・ピレス以来のポルトガル人としてクオリファイを果たしたフレデリコ。
ファイナルに残るのはポルトガル人として初の快挙です。
ランキングも18位から12位に上昇してトップ10入りを目指します。

「ジョン、ミック、エイドリアーノ、ガブリエル、フィリッペ、彼らと対戦した驚くべき一週間はチャレンジの連続だったし、ゲームを強化しなければいけなかった。彼らは世界のベストサーファー、そして、ワールドチャンピオン。勝つための準備に全てを注いだよ。ポルトガル人としてワールドツアーで初のファイナリストになったことも素晴らしいね。応援してくれたホームのみんなにも感謝している」


PHOTO: © WSL/Sherman

なお、フリーサーフィン中に右足の中指と薬指を骨折したケリーは帰国したと言われていましたが、痛々しいギブスと松葉杖でライブ中継に登場。
全治4〜5ヶ月ということなので、シーズンを棒に振ることになり、リクオリファイさえも難しい状況に追い込まれそうです。

次のイベントは8月11日〜22日にタヒチ・チョープーで開催されるCT第7戦『Billabong Pro Tahiti』
その前にウィメンズCT第6戦並びにQS10,000『Vans US Open of Surfing』が7月31日〜8月6日にカリフォルニアのハンティントンビーチで行われます。

ランキングではフィジー戦を終了した時点で僅か600ポイント内にトップ5が拮抗、今回全てQFに進出したトップ3のランキングは変わらず。
後半戦のタイトル争いはより熾烈になりそうです。


PHOTO: © WSL/Cestari

『Corona Open J-Bay』結果
1位 フィリッペ・トレド(BRA)
2位 フレデリコ・モライス(PRT)
3位 ガブリエル・メディナ(BRA)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)
5位 ミック・ファニング(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ジョーディ・スミス(ZAF)、マット・ウィルキンソン(AUS)

2017 Men’s Championship Tour
『Corona Open J-Bay』終了後のランキング
1位 マット・ウィルキンソン(AUS) 31,950pt
2位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 31,700pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 31,350pt
4位 オーウェン・ライト(AUS) 30,150pt
5位 エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA) 27,900pt

WSL公式サイト

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