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『Quiksilver Pro Gold Coast』オーウェンが最高のカムバック!


PHOTO: © WSL/Sloane

スポット参戦からフル参戦に戻ったミック・ファニング(AUS)、選手生命を脅かすようなワイプアウトからカムバックを果たしたオーウェン・ライト(AUS)、ビード・ダービッジ(AUS)などフルメンバーが揃い、新しいワールドチャンピオンのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を筆頭としたガブリエル・メディナ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)といった新世代。更に過去最高レベルのルーキーが並んだ34名による2017年のワールドツアー。

今年の開幕戦『Quiksilver Pro Gold Coast』&『Roxy Pro Gold Coast』はコンディションを考慮してウェイティングピリオド前半に一気に進行。
現地時間3月19日に迎えたファイナルデイ。朝は雨が降る悪天候ながら予想されていたオンショアが吹かず、4-6ftレンジのスナッパーロックスらしいロングショルダーのグッドコンディション。
クライマックスにかけてはオンショアの影響が入ってしまいバンピーで難しい波になっていましたが、サーフィンが国技でもあるオーストラリアのサーフィン人気を象徴するように多くのギャラリーが集まり、大いに盛り上がっていました。
その沢山のギャラリーの目の前で最後に笑ったのは、オーウェン・ライト(AUS・写真最上部・下)とステファニー・ギルモア(AUS)

特にオーウェンは2015年の最終戦のパイプライン、フリーサーフィン中にワイプアウトで頭をリーフにヒットして脳出血という診断を受け、2016年シーズンを棒に振り、選手生命さえ不透明なドン底からの復帰、そしてCTでは初戦での優勝と最高のカムバックを果たしました!


PHOTO: © WSL/Sloane

「2月初めの医者の判断では、まだ今年復活出来るか確かではなかったんだ。私達は本当に努力して今この場所にいるんだよ。復帰までには全ての恐怖と立ち向かったね。このスポーツに戻るために多くの恐れ、心配などを乗り越えなければいけなかった。それは永遠にも感じたよ。とにかく前に進み、行動したんだ」

苦悩を重ねた約15ヶ月間。家族や友人から支えられ、世界中のファンからのメッセージが届いたと言います。
妹のタイラーが初のワールドタイトルを獲得。そして、第一子の誕生。
彼のネガティブな感情よりも周囲のポジティブな空気が勝り、見事な復活を遂げることができたのでしょう。

「パートナーと可愛い息子を含め、友人や家族のサポートなしで今日はなかったよ。私達は一丸となって進み、’前を見て変わり続けろオーウェン。そして、あの場所に戻るんだ’って言い続けてきたのさ。この舞台が自分が愛するものであり、やりたいことなんだ」

昨年の開幕戦、タイラーがこのイベントで優勝した時、控え室で真っ先に泣きながら喜びを分かち合った二人。
今年はR1での勝利から最後に優勝するまで何度も二人は感情的となっていました。
タイラーとワイルドカードで出場して天才的なアプローチを披露した弟のマイキーに担がれた優勝後のビーチ凱旋。
本当に感動的であり、心を打たれた方も多かったのでは?


PHOTO: © WSL/Sloane

オーウェンとファイナルを戦ったウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS・写真上)
同じ「Rip Curl」のチームメイトであり、グーフィーフッター。
昨年、CT初優勝を決めたこのイベントでローカルのジョエル・パーキンソン(AUS)、2016年のワールドチャンピオン、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を敗って再び表彰台に上がったのは、彼のバックサイドでのトラディショナルなアプローチが本物だという証明でもあります。

「ここで再びファイナルに残れるなんて夢みたいだ。優勝したかったけど、今週はオーウェンが勝つ毎、5回も泣かせられたからね。彼にとって昨年は最も辛かっただろうし、今年イベントに参加したことは最も素晴らしいことだろう。いきなり優勝なんて信じられないよ。彼以外の敵はいない。それほど自分を興奮させたんだ。彼のカムバックは本当に凄かった」

昨年はオーストラリアレッグの3戦の内、2勝。更にフィジーでは2位に入り、キャリア初のタイトルレースに絡んでいたウィルコ。
コーチのグレン・ホールの存在も非常に注目されていました。

「他の選手がオフシーズンにこなした全ての仕事を考えると今年のイベントは余り自信がなかった。でも、今は大きな自信を持つことができたし、自分のサーフィンが過去最高だと感じている。ワールドタイトル獲得に向けて興奮しているよ」

ちなみにゴールドコーストでグーフィーフッター同士のファイナルはバートン・リンチ vs デレク・ホー以来、20年以上振りということ。
そのバートンは今イベントで度々マイクを持って饒舌な解説をしていました。


PHOTO: © WSL/Sloane

『Roxy Pro Gold Coast』を制したステファニー(写真上・下)はスナッパーロックスで5度目の優勝。
CTでは通算通算25勝目で、2014年のポルトガル戦以来の優勝です。

今年はローカルナレッジを活かしてハイスコアを続出しながら勝ち上がり、カリッサ・ムーア(HAW)とのQFではバーディカルなターンの連発でパーフェクト10。
ファイナルでは足首の怪我で2016年のシーズンを棒に振りながらも、パワーアップして帰ってきたレイキー・ピーターソン(USA)を完璧に抑えて優勝。
バレルのスキルも含め、今年最も良いサーフィンをしていたステファニーの勝利は異論なしでしょう。

「信じられないわ。ずっとトロフィーを持つことを思い描いてきたの。レイキーとの対戦は厳しかった。ここにいる皆のサポートが本当に嬉しい。ホームでの優勝よりもベターなことなんてないわ」

2007年、19歳だったルーキーイヤーに初のワールドタイトルを獲得してから6度もその座を手に入れてきたステファニーですが、2015年は怪我でシーズンを棒に振り、2016年はタイラー・ライト(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)のタイトルレースに追い付けず、フル参戦ではキャリア最低のランキング6位。
開幕戦で優勝した年は4度もタイトルに結び付いているため、今年はレイン・ビーチェリーが持つ7回の記録に並ぶ可能性も十分にありそうです。


PHOTO: © WSL/Cestari

「イエロージャージを着るのは久々ね。それは気分が良いのでしょう。同じイベントで再び優勝は本当に嬉しいし、勝つことで報われる気持ちもある。まだ先は長いけど、またワールドタイトルを狙いたいわ。ここでの優勝は世界一嬉しい。’私的’には地球上で最高の場所なの(笑)」

オーストラリアのNo.1クラブチームを決める『Australian Boardriders Battle』では毎年スナッパーロックス・ボードライダーズの一員として活躍しているステファニー。
彼女のスナッパーロックスへの愛はとても深く、波との調和も誰より合っていたからの今回の結果と言えるでしょう。

次の第2戦は昨年までのベルズと順番が入れ替わり、WA(ウェスタンオーストラリア)のマーガレットリバーを舞台とした『Drug Aware Margaret River Pro』が3月29日〜4月9日にメンズ・ウィメンズ併催で行われます。


PHOTO: © WSL/Cestari

『Quiksilver Pro Gold Coast』結果
1位 オーウェン・ライト(AUS)
2位 マット・ウィルキンソン(AUS)
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ガブリエル・メディナ(BRA)
5位 ジョエル・パーキンソン(AUS)、イタロ・フェレイラ(BRA)、コナー・オレアリー(AUS)、ケリー・スレーター(USA)

『Roxy Pro Gold Coast』結果
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 レイキー・ピーターソン(USA)
3位 ジョアン・ディファイ(FRA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)
5位 ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、タイラー・ライト(AUS)、キーリー・アンドリュー(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)

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