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『Quiksilver Pro Gold Coast』開幕!



史上最強のエルニーニョと言われ、6シーズンぶりに『The Quiksilver In Memory of Eddie Aikau』が開催されたハワイ・ノースショアがレイトシーズンに入り、世界のトップコンペティターは晩夏のオーストラリアへ移動。
メンズ34名、ウィメンズ17名。それぞれたった一つのワールドタイトルをかけて世界を回るWSL・ワールドツアーの開幕戦が毎年恒例のゴールドコーストで現地時間3月11日にスタート!

メンズは2年連続でブラジリアンがワールドタイトルを手に入れ、変革の時期となっている昨今。
国籍はアメリカながら、日本人の両親を持つ五十嵐カノアがクオリファイを果たしたのも、その流れの一環と言えるのかもしれません。
シャークアタックや私生活の問題、他にも様々な理由でスポット参戦を表明したミック・ファニング(AUS)や、引退がささやかれている数名のベテラン。その一方でカイオ・イベリ(BRA)、ジャック・フリーストーン(AUS)を始め、例年になく有望なルーキーが多く、世代交代の年になりそうな2016年。



初日は『Quiksilver Pro Gold Coast』のR1(1位がR3へ。2位と3位がR2へ)、12ヒートが全て行なわれ、ローカルのミック(写真上)、ジョエル・パーキンソンを始め、ディフェンディングチャンピオンのフィリッペ・トレド、イタロ・フェレイラ、ガブリエル・メディナ、ウィゴリー・ダンタスのヤングブラジリアン、他にもミシェル・ボウレズ(PYF)、ワイルドカードのマイキー・ライト(AUS)、ジェレミー・フローレス(FRA)、マット・ウィルキンソン(AUS)、ナット・ヤング(USA)、タジ・バロウ(AUS)がストレートでR3へ。

会場はスーパーバンクの異名を持つスナッパーロックス。
サイクロン「ウィンストン」によってSNSや動画サイトなどで歴史に残るようなスペシャルなセッションが公開されていましたが、このサイクロンの影響で地形が大きく変わってしまい、おまけに初日は東よりのオンショアの影響がネックに...。
朝のファーストコールはオンホールド。お昼頃に潮が上げるのを待って今年もコンテストディレクターを務めるキーレン・ペローがスタートを告げました。

日本人としてまずお伝えしたいのが、背番号50、18歳の五十嵐カノア(写真最上部)のヒート。
タジ・バロウ、ジョシュ・カーと二人のベテランオージーに囲まれたデビュー戦は、カノアにとってワールドツアーの洗礼とも言える厳しい戦いに...。
オンショアの影響で乱れたフェイスにパワフルなターンを重ねて8ポイント台をスコアしたタジ、ジョシュに対してカノアは難しい波に手こずってしまい、6ポイント止まり。結果は3位でR2へ。厳しいようですが、両者と比べて明らかに違いがあった印象でした。

ヒート後の正式なインタビューは無かったものの、自身のInstagramで、「多くのことを学んだ一日だった。明日のラウンド2が待ち切れないよ!こんな機会を与えてくれてとても感謝しているし、とても楽しんでいる。優しい言葉、そしてサポートをしてくれた皆に感謝している。それは自分にとって大きな励みになっているよ」とポスト。

次のR2の対戦相手はツアー2年目のキアヌ・アシング(HAW)です。



初日のハイエストスコアを出したのは、H8でケリー・スレーター(USA・写真下)、ルーキーのコナー・コフィン(USA)と対戦したウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS・写真上)でした。
序盤は通算6度も今イベントで優勝経験があるケリーが自身のサーフボードブランド「Slater Designs」でスタイリッシュなマニューバーを披露。ギャラリーを釘付けにしながら7.67をベースにリードを握っていましたが、ラスト10分を切ってからウィルコが十八番のバックハンドでのバーディカルなリップで7.67。ケリーを逆転すると、最後には9.33をマークしてトータル17.00で圧勝。



「出だしは遅れたけど、後半に良いスコアを出して優位になった。ケリーとコナーとのカード。強敵揃いだし、プライオリティを上手く使うべきだと考えていたんだ。最後の波(9.33)は自分にプライオリティがあり、ケリーがパドルした波を奪い取ったのさ。あれは凄い良い波だったね。ストークしているよ」

CT開幕戦の前に2週連続で行なわれたQS6,000、ニューキャッスルの最初のイベントで優勝して勢いがあるウィルコ。
ちなみに今イベントでは「どのバンク(ブレイク)が一番好き?」という質問を各選手にしているのですが、ウィルコは先日ニューキャッスルで仲間と共にサーフィンしたブレイクとの答え。そこで20秒間のバレルに入ったことが忘れられないそうです。



昨年、悲願のワールドタイトルを手に入れたエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)はアンラッキーとも言えるヒートに重なり、R2へ。
2月にラホヤ・ブラックスで負った第1中足指節関節の靭帯損傷を開幕戦前に治したコロヘ・アンディーノ(USA)の流れるようなターン、9.10からスタートしたこのカード。エイドリアーノはレイバック、カットバックなどで6ポイント台を2本まとめてトップに立ち、更にコロヘがプライオリティを持つエイドリアーノに対してインターフェアを犯しますが、後半、猛烈な追い上げを見せたワイルドカードのマイキー・ライト(AUS・写真上)が最後の波でニード6.84のシチュエーションでフローターからグラブレールでの弧を描くターン、スープの処理も上手くこなし、6.87をスコア。マイキーがR3進出を決め、エイドリアーノはR2行きを強いられることに...。

「今年、’Quiksilver’がワイルドカードをくれたことが本当に嬉しい。ヒート序盤は今ひとつだったけど、最後の波はとても楽しかったし、何本かの良い波にも乗れてストークしているよ」

マイキーを紹介するのに欠かせないのは兄のオーウェンと姉のタイラーの存在でしょう。
世界トップの舞台で活躍する兄と姉を見ながら育ち、昨年は本格的にQSをフォロー。
最終ランキングは72位とクオリファイは遠かったものの、ブラジルでの10,000、6,000で9位に入っています。

パンクなモヒカンとすでに自分のスタイルもある個性豊かなルックスで会場でも大人気。最後のスコアを待っている時、エイドリアーノが早々と控え室に向かったのに対してマイキーはスコアよりもファンサービスを熱心にしていたのが印象的でした。

ちなみに兄のオーウェンは、昨年の最終戦のパイプライン、フリーサーフィン中にワイプアウトで頭をリーフにヒットして脳出血という診断を受け、今年は開幕戦から7月のJ-bayまでのシーズン前半をキャンセルすると発表。
兄の分も活躍を期待しましょう!



なお、同じく最終戦のパイプラインでヒート中に骨盤2カ所を骨折して病院送りになったビード・ダービッジ(AUS)はまだ復帰の目処が立たず、今回はMC席でコメンテーターとして参加。
昨年怪我でシーズンを棒に振ったマット・バンティング(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)は復帰を果たしていますが、共にR2行きを強いられています。

ネクストコールは現地時間3月12日の7時30分(日本時間の同日6時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると東よりのウネリが続き、初日と同じようなコンディションになる予報。
13日〜14日は東よりのウネリが強まる見込みなので、コンテストは連日続きそうです。

WSL公式サイト



photo: WSL Covered Images

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