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『Quiksilver Pro France』波乱のR2



現地時間10月9日、フランス南西部・ホセゴーで開催中のCT第9戦『Quiksilver Pro France』は2日目を迎え、R2の12ヒートが全て終了してR3を戦う24名が決定。
その後、ウィメンズCT第9戦『Roxy Pro France』が開幕し、一気にR2のH3まで進行しました。

初日と同じく会場はホセゴー北部の「Culs Nus」、公式6-8ftレンジとサイズ的には同じながら、この日は新しいウネリが入り始めた影響で更にトリッキーで難しいコンディション。
世界のトップ選手でも手こずるようなワイルドなホレホレのビーチブレイクで圧倒的なスキルを見せつけたのは、フランスで過去3度の優勝経験があるケリー・スレーター(USA・写真最上部・下)でした。

前日のR1ではブレット・シンプソン(USA)とタイブレイク(同スコア)の末に敗れてしまったケリー。
序盤はバレルに入りながらも潰されてしまったり、入り方が甘くスコアを伸ばせなかったものの、後半はリズム良く大きなライトのバレルを続けて2本メイク。8ポイント台を2本揃えてトータル17.37。
対戦相手のアリッツ・アランブルー(ESP)がトータルでも1.93だったことを考えるといかにケリーが凄かったかが分かると思います。



「チャンスが少なかったし、カレントが強烈だった。そのカレントを除けばグッドコンディションと言えるけど...。現実的にタイトル争いからは外れた。トップの選手に最悪の結果が続けば話は別だったんだけどね」

R1ではアレホ・ムニーツ(BRA)がバレルに潰されて左膝を負傷。そのまま病院送りになったほど、ビーチブレイクながらリスキーな波となっている今年のフランス。
ケリー自身もR1が行なわれた前日にヘビーなワイプアウトをくらったそうですが、周囲の心配をよそに怪我はしなかったとか。
20年以上のキャリアで大きな怪我もしなかったのは、危険を回避する能力が人並み外れているからなのでしょう。



カレントリーダーのミック・ファニング(AUS)、2位のエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)がR1を通過した一方、3位のフィリッペ・トレド(BRA)、4位のオーウェン・ライト(AUS)は共にR2の敗者復活戦行きを強いられていましたが、オーウェンはカイオ・イベリ(BRA)を僅差で抑えてR3へ。
しかし、フィリッペはこの日のオープニングヒート、ベストポジションを判断するのが難しいロースコア勝負でマキシム・ハシーノ(FRA・写真上)に敗れてしまい、タイトル争いからほぼ脱落...。

QSランキング12位のマキシムは、ジェレミー・フローレスに続く二人目のフレンチとしてツアー入りを期待されている有望株。レユニオン島出身の23歳。ジュニア時代はタイトルを総なめしており、「Quiksilver」のスポンサーもついたエリートでもあります。

年下ながら格上の相手であるフィリッペを倒した後のインタビューでは、「危険なコンディション。強烈なカレントで常にパドルしている状況だったよ。最初はレフトの波に乗ったけど、ラインを保てずにバレルの中で滑ってしまった。それからフィリッペの近くに移動してあのヒートのベストな一本を見つけたのさ。ワイルドカードを得てこの舞台に立てたことは満足だし嬉しい。QSでも上手くやっているし、この良いリズムのままシーズンを終えたいね」と話していました。

R3のマキシムの対戦相手は今年のワールドタイトルに最も近いミック。
勝ち負けを抜きにしても学ぶものは非常に大きいと思います。

その他にR3進出を決めたのは、ジェレミー、ナット・ヤング(USA)、ジョシュ・カー(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、キアヌ・アシング(HAW)、カイ・オットン(AUS)、マット・ウィルキンソン(AUS)、ジャドソン・アンドレ(BRA)
アレホは左膝の状態が悪く、棄権。対戦相手のイタロ・フェレイラ(BRA)は不戦勝。
今シーズン不調のジョエル・パーキンソン(AUS)は特に難しい波のヒートに重なってしまい、トータル2.86で早くも姿を消すことに...。



ウィメンズCT第9戦『Roxy Pro France』が始まる頃にはコンディションが上向いてハイスコアが続出。

オープニングヒートでは、タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW・写真上)が数少ないレフトのバレルをメイク。
パイプラインのような巨大な水のカーテンに包まれ、フィニッシュまで決めて今イベント初のパーフェクト10!
後半にはライトの波でビッグターンを重ね、7.50。トータル17.50でビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)、アレッサ・クイゾン(HAW)の二人をコンビネーションに追い込んで圧勝。

「ライトの波ばかり見ていたから、あのレフトでのバレルは予想もしていなかったの。パドルアウトする直前に最高のレフトのバレルを見ていたから、もしかしたらなんて気持ちはあったけどね。あの波は丁度私の場所に入ってきた。とりあえずトライする感じで乗ったんだけど、美しい波で、最高だったわ」

カウアイ島出身の彼女にとってこの日のような波、それもボトムが砂であればファンウェーブの内なのでしょう。
ビーチでは母親が一番の応援団となって彼女の活躍を喜んでいました。



今イベントの注目は5戦連続で欠場していたステファニー・ギルモア(AUS・写真上)の復活と、フランス、ハワイのマウイ島、残り2戦で決まるワールドタイトルの行方。
コートニー・コンローグ(USA)とカリッサ・ムーア(HAW)の二人に絞られ、その差は2,300と例年になく僅差。

ステファニーの復帰後初のヒートはカリッサとのカード。オープンフェイスでのビッグターン、レイバックスナップ。カリッサが9ポイント台を2本揃えてトータル16.87をマークした一方、ステファニーは波の見極めにも精彩を欠いてしまい、6ポイント台止まり。
バレルよりもマニューバー勝負となったこの戦いを制したのはカリッサ(写真下)でした。



「残り2戦、とても興奮しているわ。私とコートニーの差は本当に僅差。このタイトルレースをものにしたい。勝敗に関わらず、この旅をとても楽しんでいるの。フランスのビーチブレイクは素晴らしい。その一方で毎日状況が変わるのよね。今日は良い波に変わってストークしている」

ハンティントン、ローワー・トラッセルズ、ポルトガルと3戦続けてトップが入れ替わるという熾烈な2015年のタイトルレース。
カレントリーダーのコートニー・コンローグはR1こそココ・ホー(HAW)にトップを譲りましたが、敗者復活戦のR2ではワイルドカーのチェルシー・ツアー(BRB)を完璧に抑えてR3に繋げています。

コートニーとカリッサ。ヒート表では上と下に分かれているため、二人が対戦するとすればファイナル。
激しい女の戦いの結末はいかに...。

ネクストコールは現地時間10月10日の午前8時(日本時間の同日午後3時)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると週末はハリケーン「joaquin」からの西ウネリが入る予想。

WSL公式サイト



photo: WSL Covered Images

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