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3年ぶりのベルズ戦を制したのは?

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(念願のベルを鳴らしたタイラー)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

現地時間4月17日、1週間に渡って行われたCT第4戦『Rip Curl Pro Bells Beach』が終了。
今年で59周年を迎える伝統のベルズ戦はコロナ禍で3年ぶりの開催となり、毎年このイベントを楽しみにしていたCTファンで会場は連日埋め尽くされていました。

フィリッペが初優勝

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(バリエーションで勝ったフィリッペが優勝)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

前日の時点でベスト4が決定していたベルズ戦。
ファイナルデイは合計6ヒートを残すのみでしたが、予想外にサイズダウンが進んでしてまい、メインのベルズ・ボウルズから潮の上げを待って奥のリンコンへ移動。
朝は公式3-4ftレンジ、午後は公式2-3ftレンジとスモールコンディションでの勝負になっていました。

メンズサイドは前日のQFで2019年ファイナル、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)にリベンジを果たしたフィリッペ・トレド(BRA)とルーキーながら見事なレールゲームで快進撃を続けてきたカラム・ロブソン(AUS)が最後まで勝ち上がっていました。

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(大観衆のベルズが戻ってきた)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

ファイナルは前半にマニューバーとエアリアルのコンボで8.17を出したフィリッペが主導権を握ります。中盤、カラムはマニューバーオンリーで7.77を出しますが、その裏でフィリッペはマッシーなセクションを繋いで最後にエアーリバースをメイクして6.57を重ねます。
後半はポテンシャルがある波が入らず、カラムのミスもあり、フィリッペが逃げ切ることに成功。
初のベルズ制覇に加え、日本の五十嵐カノアからイエロージャージを奪いました。

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(始めてのベルに興奮するフィリッペ)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

「ここ数年色々あってこの場所に来ることが出来なかったけど、やっとベルズに戻れた。待ち遠しかったよ。素晴らしい1週間で、自分にはこれ以上ない誕生日プレゼントになったね。昨日ジョンに勝ったことで次のヒートで更に自信を持つことが出来たし、興奮したよ。カラムとのファイナルは面白かったさ。自分は9年間このベルズのタイトルを手に入れるために通ったのに、彼は最初の年にファイナルに残ったんだ。これは本当に凄いことだよ。コンテストで勢いを維持するのは難しい。この調子でいけると良いんだけどね」

実は前日の4月16日はフィリッペの27歳の誕生日。
オーストラリアには在住するブラジリアンも多く、優勝後のビーチ凱旋も盛り上がっていました。

なお、優勝は逃したものの、ミック・ファニング(AUS)やジャック・ロビンソン(AUS)などの強豪を倒して2位になったカラムはランキング6位まで浮上。また一人ツアーで魅力的なパワーサーフィンをする選手の存在が注目され、次のマーガレットリバー戦でも活躍が期待出来そうです。

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(カラム・ロブソン)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

タイラーも初優勝

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(カリッサとのレールゲームに勝ったタイラー)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

ウィメンズサイドはタイラー・ライト(AUS)とカリッサ・ムーア(HAW)のワールドチャンピオン同士のファイナル。
イベントを通して他を圧倒するレールワークを見せていたタイラーが序盤にアグレッシブなライドで8.93を出してリード。
ベルズで3度の優勝経験があるカリッサはミスが多く、ミドルスコア止まりだった一方、タイラーは後半にも8ポイントを出してトータル16.93。
カリッサをコンビネーションに追い込んで圧勝しました。

「この優勝は私にとって大きな意味があるわ。今週、私達を迎えてくれたワダウルン(先住民のアボリジニ)の人々に感謝する。この勝利は私にとって感慨深いものよ。これまで2つのワールドタイトルを獲得したけど、今回の優勝はそれに匹敵するほどの大きなもの。12年間、この場所で戦い、この階段を下りてきたのよ。今回は家族も沢山来ているので、大喜びしているわ」

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(ランキングではトップに立ったカリッサ)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

カリッサ、ステファニー、サリー、コートニーなどライバルが表彰台でベルズを鳴らするのを長年横目で見てきたタイラー。
それも自らのスポンサー、「Rip Curl」の冠イベントといこともあり、喜びはひとしおだったようです。

「私が経験したこと(ウイルス後遺症)から回復するのに長い4年間だった。また海で自分らしく過ごせるようになったのは最近のことよ。何度も諦めたくなったことがあったけど、頑張ってこの舞台に上がることが出来たわ。大きな支援を受け、愛と心遣いに溢れた生活を送れることに心から感謝している。この優勝はそれ以上の価値があるわ。私が本当に勝ちたかった唯一のイベントなのよ。今、最高に嬉しい」

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(歴史あるベルズのトロフィー)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane

2018年にミック・ファニングと『The Search』の撮影で訪れたアフリカで何かしらのウィルスに感染。最終的に「ウイルス感染後疲労症候群」と診断され、数年間苦しんでツアーからも姿を消していたタイラー。
しかし、2021年にはハワイで優勝、そして今回のベルズで念願のタイトルを獲得して完全復活。
ランキングでも一気に2位に浮上しています。

なお、カリッサはリサ・アンダーソン(USA)、ステファニー・ギルモア(AUS)に並ぶ4度の最多優勝記録は逃したものの、2022年2度目のファイナル進出でポイントを重ね、カレントリーダーの座を手に入れています。
ブリッサ・ヘネシー(CRI)はタイラーと同率2位に転落しています。

ミッドシーズンカットを免れた選手



2022年シーズンから新たなフォーマットとして採用されたミッドシーズンカット。
ベルズ戦が終わり、残り1戦。
すでに後半戦に残れるメンバーがメンズ9名、ウィメンズ6名を残して決定しています。

フィリッペ・トレド(BRA)
五十嵐カノア(JPN)
ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
ケリー・スレーター(USA)
バロン・マミヤ(HAW)
イタロ・フェレイラ(BRA)
カイオ・イベリ(BRA)
イーサン・ユーイング(AUS)
ミゲル・プーポ(BRA)
セス・モニーツ(HAW)
カラム・ロブソン(AUS)
グリフィン・コラピント(USA)
ジャック・ロビンソン(AUS)

ウィメンズ
カリッサ・ムーア(HAW)
タイラー・ライト(AUS)
ブリッサ・ヘネシー(CRI)
レイキー・ピーターソン(USA)

次のCT第5戦『Margaret River Pro』は4月24日〜5月4日にマーガレットリバーで開催されます。

CT第4戦『Rip Curl Pro Bells Beach』結果
1位 フィリッペ・トレド(BRA)
2位 カラム・ロブソン(AUS)
3位 イーサン・ユーイング(AUS)、ジャック・ロビンソン(AUS)
5位 オーウェン・ライト(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ミゲル・プーポ(BRA)、イタロ・フェレイラ(BRA)

ウィメンズ
1位 タイラー・ライト(AUS)
2位 カリッサ・ムーア(HAW)
3位 コートニー・コンローグ(USA)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)
5位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ブロンテ・マコーレー(AUS)、ステファニー・ギルモア(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)

2022年CT 『Rip Curl Pro Bells Beach』終了後のランキング
1位 フィリッペ・トレド(BRA) 24,440pt
2位 五十嵐カノア(JPN) 18,620pt
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 16,905pt
4位 ケリー・スレーター(USA) 15,980pt
5位 バロン・マミヤ(HAW) 15,980pt

ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 24,295pt
2位 タイラー・ライト(AUS) 23,440pt
2位 ブリッサ・ヘネシー(CRI) 23,440pt
4位 レイキー・ピーターソン(USA) 19,105pt
5位 ジョアン・ディファイ(FRA) 18,980pt

WSL公式サイト



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