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パイプマスターの栄光を生涯追い続けるジョン・ジョン・フローレンス

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PHOTO:© WSL

パイプラインの目の前で育ち、2度のワールドタイトル、3度のトリプルクラウンを獲得したジョン・ジョン・フローレンスがパイプマスターの座を手に入れていないのは、不思議な運命のいたずらだろう。

ベルズ、マーガレットリバー、ブラジルと世界中で頂点に立った彼が何故かパイプラインでは勝利の女神に見放されている。

ジョン・ジョンとマスターズの歴史

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(2019年のマスターズの結果でアメリカ代表の座を手に入れた)
PHOTO:© WSL / Heff

2019年、ジョン・ジョンは膝の怪我の再発によりシーズン後半を欠場。
リハビリの末、医師の命令を無視して最終戦のパイプラインに出場。これはケリー・スレーターとの東京オリンピックの出場枠をかけての争いのためで、見事に結果を残してアメリカ代表の権利を獲得した。

(怪我復活からオリンピックまでを描いたドキュメンタリー「TOKYO RISING」)


もしかしたら、2019年は彼にとってパイプラインで最も成功したシーズンだったのかもしれない。
それほどマスターズとの相性は良いとは言えないのだ...。

2008年、ワイルドカードで14歳の時に初めてマスターズの舞台に立ったジョン・ジョン。
怪我で欠場した2018年以外、毎年出場しているものの、最高成績は2013年、2017年の2位。
それ以外の11年はQFさえも通過していない。

マスターズでの最大のライバルはケリーで、2010年、2011年、2013年にはファイナルで敗退。
ケリーと同じフロリダ出身のC.J&ダミアンのホブグッド兄弟も宿敵で、2017年にファイナルに進んだ時はジェレミー・フローレスに敗れた。

2021年CTが始まる



パイプラインでのコンテストの結果がジョン・ジョンの評価を下げたことは一度もない。
あくまで終わったことであり、ケリーの他に現在のCTで彼以上にこのブレイクとの接点を持つ選手はいないのだ。

パイプラインのレジェンドを言葉で表現すると優雅なジェリー・ロペス、故デレク・ホーの機転の良さ。ケリーのリスクとリターンの思考力。
このレジェンドに並んでもジョン・ジョンの天性の能力は史上最高だろうし、あと必要なのはそれを証明するトロフィーだけなのだ。

2019年は3度のワールドタイトル獲得に向けて順調なシーズン序盤だったが、ブラジルで膝の怪我を再発。
手術と長いリハビリを経て復帰後のサーフィンは以前よりもシャープになった。

パンデミックによって中止された2020年シーズンはノースショアの自宅で過ごし、それが逆にリフレッシュになり、2021年は準備万端で臨むことになるだろう。

健康な時の彼は他の選手にとって危険であり、シェイパーのジョン・パイゼルとボードを調整する時間もたっぷりと用意されていた。
親友、家族が周りにいる開幕戦のパイプラインはツアーの誰よりも有利と言えるだろう。

(11月、自身のYouTubeチャンネルで公開されたノースショアの最新映像)


開幕戦がパイプラインはチャンスか?

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(マスターズは14歳から10年以上も出場している)
PHOTO: © WSL / cestari

開幕戦がパイプラインで行われる利点はいくつかある。

ワールドタイトル、トリプルクラウン、リクオリファイと年末に重荷となる全てのプレッシャーがなく、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにビーチの観客もいないのだ。

文字通り白紙からのスタートになる今年のマスターズで最初のヒートをパドルアウトする時、それは長年行ってきた日常の一日の始まりのような静けさで、インスピレーションを与えるラインを描くことに繋がるだろう。

世界トップのコンペティターながら、心の奥底にソウルサーファーとしての純粋さを持っているジョン・ジョン。
自分の好きな波を雑音なくチャージするチャンスを得れば、マスターズ初優勝を目指す彼を後押ししてくれるかもしれない。

参考記事:Toughest On Tour: John John Florence And The Lifelong Hunt For Pipe Masters Glory

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