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フランスでタイラー・ライトが初のワールドチャンピオンに輝いた!


PHOTO:© WSL/Poullenot

毎年、タイトルレースが決着、もしくは佳境を迎えるヨーロッパレッグ。
ウィメンズは4勝を上げたタイラー・ライト(AUS)の独走。コートニー・コンローグ(USA)が僅かな可能性を残していましたが、現地時間10月12日、2日間のレイデイを経て行われたフランス南西部のホセゴーを舞台とした『Roxy Pro France』のファイナルデイでタイラーがSFを勝ち上がり、コートニーが敗退した時点で最終戦を待たずにタイラーの初のワールドタイトルが確定。

カリッサ・ムーア(HAW)とのSFで追い込まれていたコートニー。ニード8.01のシチュエーションでパワフルなバックハンドサーフィンを披露。逆転を確信したのか、ヒート終了前に海から上がったものの、ジャッジは7.77をコール。この瞬間にステファニー・ギルモアがタイラーに飛び付き、コーチのマイクロ、リップカールのピットボス(現場マネージャー)のライアン・フレッチャー、ニッキ・ヴァン・ダイクがハグ。
ハグを交わした後、マイクを向けたピーター・メルに、最初は涙で言葉が出なかったタイラー。

「このタイトルには多くの意味がある。多くの時間がかかり、多くの瞬間が重なった。ワールドタイトル目標の裏には公言出来ない理由も沢山あったわ。昨年は目まぐるしく、特にこのイベントを見た後に叔父がなくなったことは本当に悲しかったけど、彼のためにワールドタイトルを獲ろうと約束して、今それを果たせた。叔父、兄、弟、家族。地元のコミュニティ。全ての栄誉よ。今年も沢山のことが起こり、私生活の部分でも困難があったわ。オーウェン、家族、母。心から愛しているみんなのために成し遂げたことは特別よ」


PHOTO:© WSL/Cestari

涙の後は喜びを爆発させ、叫び、マイクロとウィルコ、ワールドタイトル獲得の影の立役者となったチームメイトに担がれてビーチ凱旋。
カリッサとのファイナルは敗れたものの、表彰台では笑顔しかありませんでした。

「今年は常にタイトル獲得の心構えをしていたわ。コートニーを激励したい。私は彼女と同じ立場を2度も経験したことがあるから、気持ちも良く分かる。彼女をとても慕っているし、コンテストに対する姿勢は見習うべきものがあり、強力なライバルよ。その他にも私を支えてくれ、道を切り開いてくれた全ての人に感謝したい。カリッサからの影響は計り知れないわ。このスポーツの進歩に大きく関わっている彼女とファイナルで戦えたことは特別よ」


PHOTO:© WSL/Poullenot

表彰台でのワールドタイトルのトロフィーの授与の際、ステージで背中を向けたタイラー。
そこには兄と同じ背番号3(以前は13)
実は異例となる背番号の変更をしていたのです。

このタイトルを語る時に欠かせない兄オーウェンの存在。昨年のパイプライン、フリーサーフィン中にワイプアウトで頭をリーフにヒットして脳出血という診断を受け、一時は海に入るのでさえ恐れ、コンテストの復帰も不透明に...。
以前から仲の良い兄妹として知られていただけに彼女の苦悩は相当なものだったと思います。
オーウェンは数ヶ月前からすでに海に復帰して、私生活ではもうすぐパパになるとのこと。
妹のワールドタイトル獲得を一番喜び、励みしているのはオーウェンかもしれません。


PHOTO:© WSL/Poullenot

ウィメンズと違い、混戦状態のメンズのタイトルレース。
全11戦中、9戦目となる『Quiksilver Pro France』では変化があり、ランキング4位のジョーディ・スミス(ZAF)がR2、3位のウィルコがR3で敗れた一方、カレントリーダーのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、2位のガブリエル・メディナ(BRA)がSFに残り、この二人にワールドタイトルは絞られてきました。

SFではジョン・ジョンが同じオアフ島出身のキアヌ・アシングに敗れ、ガブリエルはコロヘ・アンディーノ(USA)を倒してファイナルへ。
ジョン・ジョンとの差を縮めるために優勝が欲しいガブリエルでしたが、早いラウンドから良い流れに乗っていたキアヌはファイナルでも崩れず、3-4ftレンジのクリーンなコンディションを舞台にバックハンドでスコアを重ね、プライオリティも有効活用。後半にはロースコア止まりだったガブリエルのインターフェアを誘い、最後はガブリエルがフルローテーションをメイクするとそのアンサーのようにフロントサイドでエアリアルを披露。
終了後はガブリエルとハグを交わし、後腐れもなく、完璧な形でキアヌがCT初優勝を飾りました!

「夢が叶ってストークしているよ。まだ今シーズンのやるべき仕事は終わっていないけど、ガブリエルを倒したことはタイトルレースをしているジョン・ジョンの助けになったかな。この優勝、本当に嬉しいね。嘘みたいさ。凄いハッピーだし、夢みたいだよ。他のハワイアンが優勝する場面を興奮しながら見てきたんだ。それは子供の頃からの友人だったり、カリッサだったりね。QSではファイナル進出さえもなかったから、この優勝がどれだけ信じられないことか...」


PHOTO:© WSL/Cestari

ルーキーイヤーをリクオリファイのギリギリライン20位で終え、2年目の今年も最下位が6度と険しいシーズンを送っているキアヌ。
今回の優勝でランキングを12を上げましたが、それでもまだ21位。QSもフォローしていないため、ポルトガル、ハワイでも結果を残さなければいけません。
それでもQSを含めて初優勝を成し遂げた天にも昇るような気持ちで、コロヘ、カリッサ、カノア、レオナルドなどと喜びを分かち合い、長い長いビーチ凱旋を堪能。
中でも同じタウンで育ち、同年代でもあるカリッサは、まるで兄妹が優勝したかのような温かい眼差しだったのが印象的でした。

「コンテストジャージを着る毎に勝つことだけを考えている。でも、最後に優勝したのは、多分ジュニアの時。だから、CTイベントで優勝なんてクレイジーだよ。対戦したコロヘ、ジョン・ジョン、ガブリエル、みんな素晴らしいサーファーさ。私達の競争心、喜びを分かち合う気持ちが自分のことを凄い押し上げてくれるんだ」

元CT選手のジョン・シモオカのコーチを受け、彼の「バックハンドを活かせ」との助言を見事に勝利に結びつけたキアヌ。
賞金で「フィアンセのリングを購入するよ」と私生活の幸せも語っていました。

ちなみにフランスを制したハワイアンはアンディ・アイアンズとジョン・ジョンに続き、3人目。
2004年、アンディとブルースがファイナルで対戦するという歴史に残るシーンも...。


PHOTO:© WSL/Poullenot

フランスでの結果により、ジョン・ジョンとガブリエルの差は4200から2700ポイント差に縮まり、次の舞台はポルトガルへ。
第10戦は10月18日〜29日にペニチェ「Supertubos」で開催される『Meo Rip Curl Pro Portugal』
決着が最終戦のハワイに持ち越されることは間違いありませんが、ポルトガルでの成績が大きく左右されるため、二人の緊張感も高まってきそうです。

ウィメンズはすでにポルトガル戦が終了して残すは最終戦のみ。11月23日〜12月5日にマウイ島のホノルアベイで開催される『Maui Women’s Pro』と間が空きますが、10月21日〜23日に千葉の鴨川マルキで開催されるQS3,000『White Buffalo Women’s Pro』にトップ17のメンバーが来日予定なので、そちらの方も楽しみにしておきましょう!

『Quiksilver Pro France』結果
1位 キアヌ・アシング(HAW)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、コロヘ・アンディーノ(USA)
5位 マット・バンティング(AUS)、フィリッペ・トレド(BRA)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、カイ・オットン(AUS)

『Roxy Pro France』結果
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)、コートニー・コンローグ(USA)
5位 セージ・エリクソン(USA)、ローラ・エネバー(AUS)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、ステファニー・ギルモア(AUS)

WSL Samsung Galaxy Championship Tour
『Quiksilver Pro France』終了後のランキング
1位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 48,150pt
2位 ガブリエル・メディナ(BRA) 45,450pt
3位 マット・ウィルキンソン(AUS) 38,250pt
4位 ジョーディ・スミス(ZAF) 35,700pt
5位 コロヘ・アンディーノ(USA) 32,150pt

WSL Samsung Galaxy Championship Tour
『Roxy Pro France』終了後のランキング
1位 タイラー・ライト(AUS) 67,700pt
2位 コートニー・コンローグ(USA) 59,400pt
3位 カリッサ・ムーア(HAW) 54,400pt
4位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW) 48,400pt
5位 ジョアン・ディファイ(FRA) 43,650pt

WSL公式サイト



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