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『Vans US Open of Surfing』ウィメンズCTを制したのは?



現地時間8月2日、大原洋人の優勝という日本のサーフィン業界の歴史が変わった衝撃的なファイナルデイとなった『Vans US Open of Surfing』
日本のニュースや新聞でも取り上げられるなど、東京オリンピックの公式種目化にも大きな影響を与えるだろう非常に明るい話題となっていましたが、同時開催のウィメンズCT第6戦の方もタイトル争いに変化が出た興味深いイベントに。
約7万人強のギャラリーの前で大原洋人と共に最高のシャンパンを浴びたのは、昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、ツアー2年目のジョアン・ディファイ(FRA)でした。

ファイナルはフィジー戦で左耳の鼓膜を破りながらも優勝したサリー・フィッツギボンズ(AUS)とのクロスゲーム。
前半はジョアンがピアに向かって割れるレフトにバックハンドでターンを重ね、7.67をスコアしてリード。
後半はサリーがフロントサイドでのリバースから360、フローしたままレフトに繋げ、インサイドまでメイクして7.00をスコアして逆転に成功しますが、ジョアンはバックハンドでのビッグターン、厚いセクションを上手く繋げてインサイドでもう一つビッグターンを決め、ニード4.16のシチュエーションで5.87。土壇場での大逆転に成功。
ジョアン(写真下)はツアー初優勝。ランキングでも11位から5位に上がっています。



「とても言葉に出来ないわ。まだ自分の中で消化出来ないの。クレージーな気分よ。ここには友人もいるし、ホームに帰ってきたような気持ちなの」

R1ではサリーと同カードの中、9.27のハイエストスコア並びにトータル17.44のハイエストヒートスコアまでマーク。
2011年に今イベントを制したサリーを相手に2度も勝利して得た優勝。

戦い方などについて問われると、「今までこなしてきたトレーニングの成果かな。それが全て結果に現れたのよ。沢山波に乗る。そんなゲームプランを重ねてきたわ。最初はスローで難しかったけど、良いスコアを出せてポジションを上げることが出来たの」とコメント。

フランス中央部出身の彼女ですが、育ったのはジェレミー・フローレスと同じ波の宝庫であるリユニオン島。
アスリートとしての才能と共に美貌を兼ね備えた多くのトップ17のメンバーの例にもれず、彼女もまた魅力的な笑顔で大舞台での優勝を喜んでいました。

ちなみにSFで対戦したビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)はツアーで一番の親友。僅か0.01ポイント差で決まったこの勝負。ヒート中は距離を置いていましたが、終了後はお互いのボードがぶつかる程の熱いハグを交わし、ジョアンが優勝した後も一番に喜びを分かち合い、ビーチ凱旋でも笑顔で担ぎ役に回っていました。



フィジー戦から約2ヶ月経っても完治していない左耳の鼓膜を守るためにヘッドギアを着用して挑んだサリー(写真上)
方向感覚がおかしく、耳も聞こえにくいそうですが、そのハンデを感じさせず、2戦連続のファイナル進出。ウィメンズのレベルアップを象徴するような素晴らしいライディングでギャラリーを盛り上げていました。

「全てのチャンスを最大限に活かそうと努力したの。このコンテストの前は本当に何も進まなかったけど、ここに来てからは冷静に楽しむことを心掛けたわ。治療が終わってヘルメットを脱いだら、今度は何も被らないでサーフィンすることに慣れるのに時間がかかりそうよ(笑)」

「Roxy」から離れた今シーズン、フィジー戦の後に新しく契約したオーストラリアのウェットスーツブランド「Pipinghot」のロゴを一番目立つ場所に入れて初のイベントでのファイナル進出。日本ではマイナーですが、オーストラリアでは1975年から続くパイオニア的存在のブランド。サリーの宣伝効果は結構な大きさと予想されます。

表彰台でのインタビューでは、「このイベントで戦えるだけで私は恵まれているわ。この沢山のギャラリーが集まったこの雰囲気は本当に素晴らしい。ビーチを歩いたり、ピア沿いをパドルしている時に沢山の声援を送ってもらったわ。ファイナルに進み、ジョアンが優勝する場面を見れたのもハッピーよ」とこの日ステージに上がった中で最もベテランの彼女らしく、堂々とスピーチをしていました。

タイトル争いではシーズン前半に2度の優勝と2位、3位。圧倒的な強さでカレントリーダーの座を守り続けてきたカリッサ・ムーア(HAW)がQFで敗れ、マーガレトリバーでの優勝から追い上げてきたコートニー・コンローグ(USA)がSF進出を決めたため、今シーズン初めて首位が入れ替わりました。

次の第7戦は9月9日〜20日にローワー・トラッセルズで開催される『Swatch Women’s Pro』
メンズのCTは第7戦『Billabong Pro Tahiti』が8月14日〜25日に開催されます。


(ジョアン&ビアンカ)

『Vans US Open of Surfing』結果
1位 ジョアン・ディファイ(FRA)
2位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
3位 ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)、コートニー・コンローグ(USA)
5位 レイキー・ピーターソン(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)、マリア・マニュエル(HAW)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)

2015年WSL Women’s Samsung Galaxy Championship Tour
『Vans US Open of Surfing』終了後のランキング
1位 コートニー・コンローグ(USA) 43,400pt
2位 カリッサ・ムーア(HAW) 43,000pt
3位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 37,600pt
4位 ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF) 32,750pt
5位 レイキー・ピーターソン(USA) 32,500pt

『Vans US Open of Surfing』公式サイト

WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images

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