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『Billabong Pro Teahupoo』は過去最高のコンディションで終了!

 

現地時間8月25日、パーフェクト10が2本に9ポイント台が19本もスコアされた前日の興奮が覚めやらぬまま、ASPワールドツアー第7戦『Billabong Pro Teahupoo』はファイナルデイを迎え、過去最高のコンディションでイベントがフィニッシュ。

R4からスタートしたこの日も8〜9ポイント台がアベレージ。9ポイント台はなんと!31本。R5でオーウェン・ライト(AUS)が10ポイントを出したのを皮切りに合計4本のパーフェクトライドもコールされ、イベントを通して数えると7本の10ポイント!
オッキーを始めとしたMC陣が終始「パーフェクト」を連呼するほど歴史に残る完璧な戦いでした。

ファイナルはSFでジョン・ジョン・フローレンス(HAW)とのクロスゲームを制したケリー・スレーター(USA)とカレントリーダーのガブリエル・メディナ(BRA)のカード。
鮮やかな虹が映し出されたと同時にスタートした35分。最初の10分はセットが止んでしまい、両者共に波に乗らずリスタート。
リスタート後に飛び出したのはガブリエル。手始めに7.90をスコアするとすぐに9.07と9.43を大歓声の中でマーク。更に9.53とハイスコアを塗り替えながらケリーを追い込みます。
一方、ケリーはSFまでの勢いが衰え、リズムに乗れていない印象。前半に9.63をスコアするものの、9ポイント台を2本揃えたガブリエルを逆転するには9.33が必要。ラストチャンスとなったセットはガブリエルが優先権を持っていたのにも関わらず、ケリーに乗らせてしまい、レイトテイクオフからグラブレールの後、ディープな位置に留まり、出口までメイク。
スコアが出る前に両者共に互いを讃え、最後のジャッジを待ちます。ファイナルデイだけでここまで30本もスコアされた9ポイント台の0コンマの部分を判定するのは非常に難しく、ウェイティングの時間も長引きます。ようやくコールされたスコアは9.30。ファイナルデイ31本めの9ポイント台は僅かにガブリエルのスコアに届かず、ケリーが今シーズンの初優勝を逃し、ガブリエル(写真最上部・下)が3勝目を決めました。

 

「本当になんて言っていいか分からないよ。最後のヒートに向かう前、ホームにいるママに電話したんだ。彼女の’神よりも偉大な人はいない’って言葉に影響され、神を信じたのさ。こんな良いコンディションのチョープーと素晴らしいサーファーとの対戦、ファンに恵まれ、とてもハッピーだよ」と優勝直後のインタビューに答えたガブリエル。

昨年はR3で敗れ、2012年はQFでジョン・ジョンに完敗。タヒチとの相性は決して良いとは言えなかったガブリエルでしたが、今年は過去最高と言えるコンディションで最強の男ケリーとファイナルで対戦。計り知れないプレッシャーだったと思います。

「最後にミスをしてしまったんだ。ケリーはサーフィン界のレジェンド。ここで何をやるべきか良く理解している。あれでヒートに負けたと思ったね。神に感謝している。ママ、家族、スポンサーにも感謝しているよ」と話しながら言葉に詰まったガブリエル。

いつもはクールなコメントを残しているガブリエル。今年はブラジリアン初のワールドタイトルという使命を背負っていますが、まだ20歳というのを忘れてはいけません。インタビュー中は涙を浮かべ、気持ちも高ぶっている様子。

「こんな気持ちは初めてさ。大きくてパーフェクトな波だった。上手く説明出来ないよ。オレはサーフィンを愛し、今やっていることを愛している。本当に素晴らしい波だった」と続け、ASPやイベント中に選手の命を守ってくれた勇敢なウォーターパトロール、ジャッジ達にも感謝の言葉を述べていました。

ブラジリアンがタヒチを制したのは2008年にワイルドカードで出場したブルーノ・サントス以来。ワールドツアーのメンバーでは初めてです。
次々と記録を塗り替えていくのは選ばれた人間の宿命。22年の間に数々の記録を更新してきたケリーも同じ道を歩んできたのです。

ゴールドコースト、フィジーに続いて3勝目を上げたガブリエルはカレントリーダーの座をキープ。
2位とのポイント差を広げ、残りは4戦。ブラジリアン初のワールドタイトル獲得が本当に目の前まで迫ってきました。

 

2000年、2007年、2005年、2011年と4度もタヒチのイベントを制しているケリー(写真上)
R1からフリーサーフィンのように楽しみながら軽々と勝ち上がり、10ポイントを2本。9ポイント台を14本もスコア。
ジョン・ジョンとのSFは最後にトータルスコアが並び、10ポイントを持っていたケリーが勝ち上がりましたが、勝敗よりも昨年のパイプマスターズ以来のジョン・ジョンとの素晴らしいバレルセッションに満足するような笑顔を見せていました。

「言葉は必要ないでしょ?今日、そして今週、オレ達のために海が捧げてくれた。本当に信じられないほどの凄さ。こんな波見たことない。オレのキャリアの中でベストな一日だったよ。ガブリエルを讃えたい。イベントを通して言えるけど、特にファイナルの彼はリズムに乗っていたよね。今年の彼は止められない。今度はトラッセルズのために大きくギアを入れ替えないと。残りのシーズンが楽しみ。まだやるべきことは沢山あるさ」とケリー。

ここの波を誰よりも知り尽くし、普段から短いボードを好むケリーでさえ、朝に使用した6’1のボードは短いと感じたらしく、すぐに長いボードにチェンジ。ASPが公表した12-15ftレンジというサイズ表現に関しては、「この波が12ft?裏から見れば2ftだけど、フェイスだと20ftはあったよ。12ftってその半分だよね」と笑顔で話していました。

今シーズンはまだ優勝こそ無いものの、R3でウィルコに敗れたジェフリーズベイを除くと全てQF以上をメイクしており、今回の結果を得て6位から2位に浮上。
今後続くトラッセルズとヨーロッパレッグ、パイプラインでの過去の成績を考えるとポイント差が広がったとはいえ、ガブリエルは安心出来ません。

42歳のケリーにとって12度目のワールドタイトルを狙えるラストチャンスになるかもしれない今シーズン。
次の戦いの舞台はカリフォルニアのローワー・トラッセルズ。今年はウィメンズと併催で9月9日〜20日に開催。
タイトル争いと共にワイルドカードを獲得した前田マヒナにも注目です。

なお、2010年にこの世を去り、彼自身タヒチでの最後のイベントを優勝で飾ったA.Iことアンディ・アイアンズに敬意を表した「Andy Irons Award」はR5で10ポイントを含むトータル19.87のハイエストヒートスコアを出したオーウェン(写真下)が受賞しました。

 

ASPワールドツアー第7戦
『Billabong Pro Teahupoo』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 ケリー・スレーター(USA)
3位 ビード・ダービッジ(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
5位 エイドリアン・バッカン(AUS)、コロヘ・アンディーノ(USA)、ディオン・アトキンソン(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)

2014年ASPワールドツアー
『Billabong Pro Teahupoo』終了後のランキング
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 46,150pt
2位 ケリー・スレーター(USA) 38,350pt
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 36,150pt
4位 ミシェル・ボウレズ(PYF) 34,500pt
5位 ミック・ファニング(AUS) 34,400pt

ASP公式サイト



photo: ASP Covered Images

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