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『J Bay Open』は素晴らしいファイナルデイに!

 

2011年を最後にワールドツアーから除外され、2012年はプライム、2013年はイベント自体も行なわれなかった「J-bay」こと南アフリカのジェフリーズベイでの戦いが今シーズンは復活!
永遠と続くような美しいライト方向へのラインナップは全く変わらず、約10日間のウェイティングピリオドで本当に良い波の時だけを4日間選び、現地時間7月19日に終了。

2010年、2011年とジェイク・パターソン以来、二人目となる2連覇を達成したジョーディ・スミス(ZAF)は母国での開催を最も喜び、南アフリカ中のサーファーの期待を背負ってR1ではパーフェクト10をマーク。このライディングはライブ中継やSNSを通して世界中のファンに伝えられ、絶賛を受けていましたが、R3であえなく敗退。
更に1996年の初優勝から4度の優勝を重ね、「J-bay」での最多記録を保持しているケリー・スレーター(USA)は今イベントで活躍が目立ったグーフィーフッターの一人、ウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS・写真下)にまさかのコンビネーションスコアで敗退を喫してしまい、タイトル争いにも暗雲が立ちこめてしまいました。



ファイナルデイはイベント期間中最大の公式ダブルオーバーヘッド。パーフェクトなラインナップが姿を現し、R5からスタート。
オフショアが強い影響で選手達はやや手こずっている印象でしたが、徐々にスイッチがオン。H4に登場したミック・ファニング(AUS)は8.00を含むトータル15.67でフレッド・パターチア(HAW)をコンビネーションに追い込んで圧勝。
その他にエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、タジ・バロウ(AUS)、ガブリエル・メディナ(BRA)がQFへ。

QFからはハイスコアが量産され、共に今イベントを2度制覇しているパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)、ミックが危なげなく勝利。更にウィルコ、オーウェン・ライト(AUS)がクロスゲームを制してSFへ。
SFではジョエルがダブルバレルで叩き出した10ポイントを含む18.33でウィルコを下し、ミックはここでも安定したライディングでオーウェンを抑えてファイナルへ。

 

SFで姿を消したウィルコとオーウェン。1984年にグーフィーフッターとして最初で最後に今イベントを制したオッキーことマーク・オクルーポに続く二人目のグーフィーフッターにはならなかったものの、「J-bay」でのバックハンドサーフィンを見直させる立役者になったことは間違いありません。
ちなみにQFでオーウェンに敗れたガブリエル・メディナ(BRA)に関しては初めての「J-bay」とリズムが合わない印象でした。

ミックとパーコ。オーストラリアのクーランガッタエリアで子供の頃から切磋琢磨してきた二人が久々に争ったファイナル。
ミックはヒート開始5分も経たない内にバレル&ビッグカービングで9.00。前半に8.00のバックアップスコアを重ね、トータル17.00と早々と主導権を握り、パーコが追う形。逆転も可能なシチュエーションで後半に入りましたが、ミック(写真上・下)が最後までリードを保って今シーズン2勝目、「J-bay」での3度目の栄冠を手に入れました。

ファイナル終了後、インタビュアーのロージー・ホッジからオープニングで9.00をスコアした時の気持ちを聞かれたミックは、「まだ40分も残っていたから、何が起こるか分からないと思ったよ。相手はパーコだし、彼は常に大好きなサーファーの一人であると共にベストフレンド。9ポイント台なんて簡単に出してしまうからね」と笑顔でコメント。

 

ジェットスキーのアシストが無かったため、一度岸に上がってビーチを走り、アウトから再び海に入るトライアスロンのようなヒートをR5から数えて4回もこなしたミック。体力勝負の部分も大きかったと思います。

「何故トレーニングをするか...。それは今日のような日のためさ。一つの波を楽しんでも、次の波が入るのを見たら再びエネルギーが沸いて違う波に乗りたくなる。次のラウンドに行くためにはスマートな決断と良い波を選択する必要があるよ」とミック。

スナッパーロックス、バーレーヘッズ、キラなど世界中のサーファーが羨むようなライトのポイントブレイクをホームにしているミック。当然、「J-bay」との比較もされましたが、「J-bay」は「J-bay」であり、唯一無二。
つまり、ミックにとっても特別な場所。

「夢のような場所で行なわれる素晴らしいコンテスト。一生の内に一回は訪れた場所でサーフィン出来るんだ。それだけで十分にラッキーさ」とこのブレイクの偉大さを証明するようなコメントを残していました。

2002年のルーキーイヤーに1勝、ケリーとアンディ・アイアンズが熾烈なタイトル争いをしていた2006年に2勝目を上げたこの場所で今年はタイトルの大きな助けになる優勝。
シーズンの折り返し地点で8位から一気に3位へランキングを上げてタイトル争いに加わってきました。
その件については、「すでに2つの捨て試合があるし、まだ真剣にタイトル争いのことは考えていない。ただサーフィンするだけさ。でも、明日の朝目覚めたら考えが変わっている可能性はあるけどね(笑)」と話していました。

 

1999年、まだワイルドカード時代に「J-bay」で初優勝を決めたパーコ(写真上)にとってもここは特別な場所。
ミックが剛ならパーコは柔。持ち前のリラックススタイルで「J-bay」の波をフローする姿は一種の芸術でもあり、ギャラリーを魅力したことは疑いのないことです。

「2本のベストウェーブを選ぼうと考えていたけど、全てが良い波だと気付いたんだ(笑) それでも目を見張らせて波を掴もうとした。でも、難しかったからフィーリングで行ってしまったのさ。出来るだけのことはしたし、ちょっとスマートにもこなせたと思う。セミファイナルで出した10ポイントが忘れられなかった。それが敗因かな」とファイナルを振り返ったパーコ。

ランキングでは6戦を終了した時点で2位が2回。その他は全て9位以上とコンスタントな成績を残して5位から2位に浮上。
ガブリエルのトップは変わりありませんが、7位のエイドリアーノまで約6000ポイント内。後半戦のタイトル争いが面白くなってきました。

 

なお、今イベントは往年のライバル、トム・カレン(写真上)とオッキーのスペシャルヒート、ASPヘリテージシリーズ(伝統、遺産)がSF前に行なわれました。
特にトムのライディングは華麗で美しく、当時のスタイルがそのまま。8.33に加え、ディープなバレルで10ポイントをマークして圧勝。見事に主役の座を手に入れていました。

「今日の波はパーフェクトだね。ソニー(ミラー)に感謝したい。彼の誕生日なんだ。きっと見てくれていたと思うよ」と心臓発作で他界したばかりのソニー・ミラーに敬意を表していました。

★ソニー・ミラー=「Searching for Tom Curren」を代表作とするフィルムメーカー。
トムが「J-bay」の波に乗る姿もこの作品に収められています。

次のASPワールドツアー第7戦は8月15日〜26日にタヒチ・チョープーで開催される『Billabong Pro Teahupoo』
その前にカリフォルニア・ハンティントンビーチでプライム『Vans US Open of Surfing』並びにASPウィメンズワールドツアー第6戦が7月26日〜8月3日に開催されます。

 

ASPワールドツアー第6戦
『J Bay Open』結果
1位 ミック・ファニング(AUS)
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
3位 マット・ウィルキンソン(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)
5位 エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、タジ・バロウ(AUS)、ガブリエル・メディナ(BRA)、アレホ・ムニーツ(BRA)

2014年ASPワールドツアー
『J Bay Open』終了後のランキング
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 36,150pt
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 34,400pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 32,650pt
4位 タジ・バロウ(AUS) 31,950pt
5位 ミシェル・ボウレズ(PYF) 30,500pt

ASP公式サイト





photo: ASP Covered Images

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